奥州のコメ、オーストラリア輸出へ 金札米1.2トン、今月中にも

県産米の輸出量推移

 岩手県奥州市は2024年度、オーストラリアにブランド米「江刺金札米」などの地元産米を売り込む。現地の日系企業2社と岩手江刺農協(小川節男組合長)の取引を仲介し、早ければ今月中に計1.2トンを試験的に出荷する。県産米は現在、同国への輸出がないが、高品質な日本米の需要は高く、高級レストランや現地の日本人をターゲットに据える。国内の倍以上の価格で取引が見込まれ、新たな市場の開拓と農家の所得向上につながるか注目される。

 金札米の5キロパックを船で運ぶ。日本食品を取り扱う大手商社に1トン、現地で知名度の高いスーパーを展開する卸・小売業者に0.2トンを出荷する。

 市は6月以降と見込まれる販売開始に合わせて現地に職員を派遣し、同農協と協力して購買層や価格、数量、コストなどを調べる。流通経路の異なる2社で課題を抽出・分析し、準備が整えば24年産米から輸出を本格化させる考えだ。

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