200人行進でフィナーレ 富山でチンドンコンクール最終日、芸能社美香(東京)優勝

スペシャルパレードで、立山連峰を背に行進するチンドンマン=富山市堤町通り

 第70回全日本チンドンコンクールの最終日は7日、富山県民会館でコンクール本戦を行い、「チンドン芸能社美香」(東京)が7年ぶりに優勝した。準優勝は「アダチ宣伝社」(福岡)、3連覇中だった「かわち家」(長崎)は3位だった。チンドンマンが勢ぞろいしたスペシャルパレードもあり、にぎやかなパフォーマンスで大会のフィナーレを飾った。

 全国から集まった28組から予選を勝ち上がった8組が登場し、トーナメント形式で技術や口上、演技の構成などを競った。会場の県民会館ホールは約1100席がほぼ埋まり、立ち見客が出るほどの盛況ぶりで、チンドンマンの一挙手一投足に拍手や歓声が上がった。

 決勝は「すしのまち とやま」がテーマ。チンドン芸能社美香はすしのネタの名前を連ねた布を掲げるなど工夫を凝らした演技や「震災に負けるな」という口上を披露。審査員4票と一般客が務める新設の「オーディエンス審査員」1票の全てを得る満票で頂点に輝いた。

 俳優の柴田理恵さん(富山市出身)によるトークショーがあり、「生の声での宣伝はなかなかない。テンポが速くて面白い」と話した。チンドン太鼓を担ぎ、演奏する場面もあった。

 70回の節目の大会の最後を彩るスペシャルパレードは、市中心部の平和通りからグランドプラザにかけて行われ、プロからアマチュアまでのチンドンマンやブラスバンドなど総勢約200人が太鼓やサックスの軽快な音色を響かせて行進した。

 毎年見に来ているという同市堤町通りの西浦久美子さん(86)は「春と言えばチンドン。コロナや地震があった中、70回目を迎えたのはめでたい」と感慨深げに話した。同市婦中町の会社員、柴野絵里加さん(39)は子ども2人らと最前列で観覧。「富山ならではの行事。幼い頃に見に来た自分と同じように、子どもたちにも楽しんでほしい」と語った。

 富山商工会議所と富山市でつくる実行委員会主催、北日本新聞社など後援。

 ▽4位=チンドン芸能社梨乃(東京)▽敢闘賞=おおまるラッパ社(大分)ダースコちんどん隊(秋田)鶴丸(大阪)囃子家(大阪)

優勝したチンドン芸能社美香=7日、県民会館
トークショーに登場した柴田さん

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