なんと5万円超えも!製造終了からたった4年…超高価「ニンテンドー3DS」プレミアソフト

ニンテンドー3DSソフト『セガ3D復刻アーカイブス1・2・3 トリプルパック』

今年2月13日、任天堂が携帯ゲーム機『Newニンテンドー3DS/LL』『ニンテンドー2DS』の修理サービス終了を予告し、大きな話題を呼んだ。2011年に発売されて以降、大人気となった『ニンテンドー3DS』シリーズ。2020年に生産中止されたばかりではあるが、すでに一部のソフトは当時の何倍ものプレミア価格で取引されるようになっている。

今回は、思わぬ高値に驚愕してしまう3DSソフトの数々について見ていこう。

■体内を舞台に繰り広げられる骨太シューティング『NANO ASSAULT』

2012年にサイバーフロントより発売された『NANO ASSAULT』は、人間の“体内”をステージとした一風変わった3Dアクションシューティングゲームだ。

プレイヤーはウイルスに感染してしまった体内へと潜り込み、自機を操作しながらウイルス群と戦っていく。いわゆる強制スクロールしながらのシューティングゲームではなく、360度を自由に移動しながら、四方八方から迫ってくる敵を迎撃するシステムとなっている。

なかなか独特の世界観を持つ作品だが、それでいて内容はしっかりとした“シューティング”として作り込まれており、全32ステージの「ストーリーモード」やオンラインでスコアを競い合う「アーケードモード」、さらに強敵との連戦で腕を競うことができる「ボスラッシュモード」などなど、多彩なモードを遊ぶことができる。

また、ゲーム中で手に入る「ナノコイン」を使うことでさまざまな特典を購入することもでき、やり込み要素も完備しているのは嬉しい点だろう。

シンプルな作りながらも完成度の高いシューティングとして人気を博した本作だが、そのパッケージ版は現在ではまさかのプレミア価格で取引されている。

気になるその値段だが、なんと中古の状態でも3~4万円が相場で、未開封のものだと5万円を超える高値がついている場合も。定価が4800円(税抜)だったことを考えれば、その値段が10倍近くに跳ね上がっていることになる。

斬新な世界観とシューティングとしての骨太な作りだけでなく、値段の高騰ぶりにも思わず注目してしまう一作である。

■収録された名作の数々に、プレミア価格も納得?…『セガ3D復刻アーカイブス1・2・3 トリプルパック』

3DSでは過去に発売されたレトロゲームを新たに3D化した、いわゆる“復刻作品”も数多く登場している。2016年にセガゲームス(現:セガ)より発売された『セガ3D復刻アーカイブス1・2・3 トリプルパック』は、そういった復刻作品の集大成とも呼べる一本だ。

過去にレトロゲームの総集編として発売された『セガ3D復刻アーカイブス』シリーズ3本を1本にまとめたもので、当時の値段も8990円(税抜)と、収録ゲーム数を考えれば非常にお得な価格帯といえるだろう。

本作は『スペースハリアー』や『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』、『スーパーハングオン』、『獣王記』といった数々の名作が集結しており、収録タイトル数は合計27とかなりボリューミー。かつてのファンはもちろんのこと、これから名作たちに触れたいプレイヤーにもおすすめの一本となっている。

そんな本作だが、やはりセガの名作が揃っていることもあってか、価格が高騰してしまっている。

その価格は安いものでも3万円台。高いものだと5万5千円といった価格で販売されているものもあり、当時の発売価格と比べるとかなりの高値となっている。

収録されているタイトルの多様さもさることながら、やはりセガが生み出した文句なしの“名作”の数々が一本にまとまっているというコレクション性も、この価格高騰に一役買っていると思われる。

レトロゲームとしてはもちろん、セガ作品を愛するマニアにはたまらない一品といえるだろう。

■さまざまな要素を“プラス”した人気シリーズの一作『毛糸のカービィ プラス』

レトロゲームだけでなく、3DSはさまざまなハードで発売されたタイトルの“移植作品”も数多く登場しているのだが、なかでも2019年に任天堂より発売された『毛糸のカービィ プラス』は、近年になってじわじわと値上がりが続いている一作だ。

本作はもともと、Wii版として発売されていたものを3DSへと移植した作品。だが、その際にWii版にはなかった数々の要素を追加している。

それぞれのステージに新たなギミックが追加されていることではなく、本作でカービィが駆使することとなる「さいほう能力」にも新たな種類が登場しており、より多彩なアクションを楽しむことができるのだ。

また、より高難易度なステージに挑戦することができる「デビルモード」や、デデデ大王、メタナイトといったおなじみのキャラクターを操ることができる「サブゲーム」など、タイトルにもあるように、さまざまな要素が“プラス”された一作となっている。

毛糸をテーマとした不思議な世界観に加え、手軽かつ痛快なアクション性とクオリティの高いBGM、そして豊富な追加要素によって人気を博した本作だが、当時は4980円(税抜)とかなりお求めやすい価格でリリースされた。

しかしこちらの作品も今では価格が高騰しており、1万円を超えることはざら。たとえ中古作品だったとしても、状態の良いものでは2万~3万台といった価格帯で取引されているというのだから、驚かされてしまう。

実は任天堂作品はそもそも再販されないことが多いため、こういった背景もあって月日が経てば経つほどに値段が上がってきているのだろう。その高いプレミア価格で、人気タイトルとしての力強さを存分に見せつける一作だ。

数々の名作が生まれたのみならず、立体視の採用など新たな試みも目を引いた「ニンテンドー3DS」。全シリーズ本体の製造・修理の中止が発表されたことが、ソフト価格の高騰に影響している部分もあるだろう。当時の開発者や発売元も、それぞれの作品がこのような形で高騰するとは夢にも思わなかったかもしれない。

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