首都圏から800kmの「大自然の宝庫」一度は行きたい「絶景の地」! 1泊2日ドライブレポ

白い奇岩が続く仏ヶ浦(撮影:分銅英雅)

春の訪れとともに、青森県下北半島の大自然が目を覚ます季節がやってきた。長い冬の寒さが去って色鮮やかな花々が咲き誇り、大自然の美しさを求めてドライブするのに適した季節の到来だ。

首都圏から800kmも離れた下北半島は、本州最果てのイメージとともに荒々しくも美しい自然景観で知られ、春になると特にその魅力が引き立つ。本稿では、一度は行ってみたい下北半島の絶景スポットを紹介する。

荒々しい波が打ち寄せる絶景の海岸線や、奇怪な自然の造形美、最果ての灯台などを満喫できる。この春は下北半島の大自然に触れ、心洗われるひとときを過ごすドライブ旅に出かけてみよう。

■下北半島って、どんなところ?

下北半島は本州最北端の青森県のさらに北部に位置する2つの半島(津軽半島と下北半島)の一つだ。地図を見ると一目でわかるが、右側のまさかり(大型の斧)のような形をした半島が下北半島である。最果ての地、自然の荒々しさといったイメージがあるが、マグロで有名な大間や日本三大霊場の一つである恐山など、魅力あるスポットがたくさんある。

■下北半島で一度は行ってみたいスポット5選

下北半島の魅力的なドライブスポットの中から筆者が選んだ「一度は行きたい」スポットを5つ紹介する。

●横浜町 菜の花畑

まず、春の一時期限定になるが、辺り一面が黄色に染まる「横浜町 菜の花畑」だ。作付面積は128ヘクタールと国内トップクラスを誇り、見頃になると見渡す限り咲き誇る菜の花の美しい光景が広がる。

【基本情報】
住所:青森県上北郡横浜町大豆田
菜の花見頃:5月中旬~下旬
駐車場:自然体験ランド 自然苑(じねんえん)駐車場(無料)
※菜の花の見頃には臨時駐車場が設けられる

●尻屋埼灯台(しりやさきとうだい)

地図で見ると北東に突き出た岬の先端にある灯台で、レンガ造りの灯台としては日本一の高さである。通常、一般の観光客は灯台へ登ることが許可されていないが、この灯台では登頂が可能であり、そこからのオーシャンビューはまさに壮観だ。

尻屋埼の遠景(出展:photoAC)

そしてもう一つのポイントは、灯台周辺の土地に寒立馬(かんだちめ)が放牧されていることである。海と灯台と放牧された寒立馬がなんとも絵になるのだ。

【基本情報】
住所:青森県下北郡東通村
参観時間:
4月上旬~4月30日 9:00~15:00
5月1日~11月上旬 9:00~16:00
※入場は参観終了時刻の15分前まで
参観寄付金:300円(中学生以上)
駐車場:尻屋崎灯台 駐車場(無料)

●恐山(おそれざん)

恐山は活火山で、カルデラ湖である宇曽利山湖(うそりやまこ)の湖畔に恐山菩提寺がある。恐山菩提寺は日本三大霊山の一つ(他は比叡山と高野山)で、西暦862年に創建された。平安時代にこの最果ての地に寺が建てられたとは驚きだ!

その荒涼とした風景と辺り一帯に漂う硫黄臭はなんとも不気味で、まさに恐山という名前がぴったりだ。この地獄を連想する荒涼とした一帯を順路に従って進んでいくと、宇曽利湖畔のビーチに到着する。ここは一転して天国にいるような美しさで、極楽浜と呼ばれるのも納得できる。

次に恐山菩提寺に行ってみよう。荒涼とした場所に総門、山門、本堂などの伽藍が並ぶが、この寺のユニークなのは境内に泉質が異なる4つの温泉があり、無料で入浴できることだ(入山料は必要)。時間があれば、温泉に入ってみることをおすすめする。

恐山菩提寺(撮影:分銅英雅)

【基本情報】
住所:青森県むつ市田名部宇曽利山
開山:
5月1日~10月上旬 6:00~18:00
10月上旬~10月31日 6:00~17:00
※入山受付は終了時刻の30分前まで
入山料:500円
駐車場:恐山菩提寺駐車場(無料)

●大間崎

大間というとマグロを思い浮かべる人も多いであろう。マグロを食べる前に、まずは本州最北端の町に行こう。津軽海峡は思っていたよりも北海道(函館)が近く、良く見える。沖にはマグロ漁船らしき船が行き交う。すぐ先には弁天島も見え、岬の先端にはマグロのモニュメントや本州最北端の碑などがある。海がきれいだ!

マグロのモニュメント:沖には漁船が(撮影:分銅英雅)

しばし先端の町を楽しんだら、いよいよマグロのランチだ。いくつか有名な店があるが、筆者はその中の一つの店で、マグロの三色丼を注文した。さすがにうまい!

【基本情報】
住所:青森県下北郡大間町大間大間平17-1
駐車場:大間崎駐車場(無料、トイレあり)

●仏ヶ浦(ほとけがうら)

海岸に沿って奇岩の連続! 白い奇岩が2kmにわたって続くこの世にないような絶景、それが仏ヶ浦だ。海岸に出るには、高台にある駐車場からしばらくは下り道を歩く。その先は300段を超える階段になるが、さらにそこを下りていく。

約15分歩いて海岸に出ると、息をのむような景色が広がっている。白い奇岩群が青い海を背景に連なった様は、まるで極楽浄土にいるような気分になる。仏ヶ浦という名前が付いたのにも納得だ。

海岸には遊歩道が整備されており、周辺の散策ができるので様々な形をした奇岩を眺めながら散策しよう。仏ヶ浦全景を沖から眺める観光船もあるので、時間があればより楽しめる。

【基本情報】
住所:青森県下北郡佐井村
駐車場:仏ヶ浦駐車場(無料、トイレあり)
マップURL:仏ヶ浦駐車場 公衆トイレ

■ドライブルートと注意事項

本稿で説明した順にドライブすると効率が良いが、必ずしもこだわらなくてかまわない。

仮に青森駅を始点として、紹介順に目的地を訪れた場合の走行距離は以下の通り。

一般道約420kmを一日で回るのは厳しいので、5か所すべて訪れるのであれば、最低1泊2日の旅をおすすめする。その場合、下北半島の中核都市であるむつ市周辺のホテルか、テント持参であれば大間崎テントサイトに泊まるという手もある。

また、下北半島にはフェリー乗り場もあり、大間から北海道の函館、むつ湾フェリー脇野沢港(わきのさわこう)から津軽半島へそれぞれフェリーで行くことができる。自身の旅程を考えて、ドライブルートを決めると良いだろう。ただ、フェリーの場合は悪天候で欠航になることがあるので注意が必要だ。

紹介したどの目的地も歩きやすい靴が必要だ。また、仏ヶ浦では駐車場に「熊出没!」という大きな看板があるので、熊鈴を用意しておく。

■ 本州最果ての下北半島に一度は行こう

首都圏から800kmも離れた下北半島だが、最果てにあるからこそ見られる絶景を一度は見てみたい。

春色に染まる横浜町菜の花畑、太平洋と津軽海峡に突き出した岬の先にある絶景の尻屋埼灯台、天国と地獄を想わせる恐山、本州最北端の大間、そして奇岩の連続で異世界の仏ヶ浦。そのどれもが一度は見てみたい場所なのだ。

さあ、この春は下北半島の大自然に触れるドライブ旅に出かけてみよう。

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