コロナ規制なし、花の宴にぎわい戻る 大人数で楽しむ/周囲に配慮も

桜の開花が宣言され、多くの家族連れなどでにぎわった日和山公園=7日午後2時16分、酒田市

 山形市と酒田市で7日、桜の開花が宣言され、県内もいよいよ花見の季節に入った。新型コロナウイルスが感染症法上の位置付けが5類移行前だった昨春は、公園内で飲酒を控えるよう要請し、ステージイベントの実施も見送るなど、自粛ムードでの花見となっていた。今年はコロナ禍前に戻って、飲食やイベントができるようになり、各地のスポットは、ようやく規制のない春を迎えた。

 日中は汗ばむ陽気となった山形市の霞城公園は昨年、飲酒可能エリアが決められていた。今年は自由で、毎週散歩で訪れる同市城南町1丁目、無職今野京子さん(76)は「コロナ禍前から、どんちゃん騒ぎの花見は少なくなっていた。節度を持って楽しむ人がほとんどなので心配していない」と話した。

 桜まつりが開かれている酒田市の日和山公園は昨年、コンサートを行わず、園内での飲酒もしないよう呼びかけていた。今年は5年ぶりの通常開催となった。米沢市の松が岬公園は昨年、露店の飲食物は持ち帰りとなっていたが、今年は園内での飲食が可能になった。新庄市の最上公園での「新庄カド焼きまつり」は歌謡ショーとカドの食べ方の美しさを競う大会が5年ぶりに復活する。

 いつもの花見らしい楽しみ方ができるようになり、鶴岡市北茅原町、パート従業員五十嵐友美さん(36)は「いろいろな制限がなくなり、開放的に楽しめる」と笑顔を見せ、娘の陽菜ちゃん(2)と一緒に開花を心待ちにした。酒田市東大町3丁目、会社員藤原孝平さん(38)は近所の家族と一緒に日和山公園を訪れ、「今までは誘うのも気が引けていたが、制限がなくなり大人数で花見ができて楽しい」と話した。

 「コロナ禍の中で入ってきた社員に歓迎会のようなことをできず、心残りがあった。インフルエンザが流行しているので不安もあるが、今年はみんなで花見に繰り出したい」と松が岬公園を訪れた米沢市福田町2丁目、会社役員諏訪豪一さん(49)。一方、霞城公園で友人と飲食していた山形市銅町2丁目、パート従業員渡部いづみさん(49)は「福祉施設に勤務するなど、感染防止に引き続き心を砕いている人も多い。周囲に配慮する気持ちは忘れずにいたい」と気を引き締めた。

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