観光列車あめつち、JR木次線に乗り入れ 奥出雲おろち号の後継

木次駅でファンに出迎えられる「あめつち」

 JR木次線の観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」(昨年11月引退)の後継として、山陰線を走る観光列車「あめつち」が7日、木次線に乗り入れて運行を始めた。島根県雲南市の木次駅であった記念イベントでは、列車を一目見ようと多くのファンが詰めかけた。

 59席が満席となった列車は、米子駅(鳥取県米子市)を出発し、宍道駅(島根県松江市)で木次線に乗り入れた。木次駅では約150人のファンが出迎え、地元吹奏楽団は演奏で祝った。雲南市のカフェ経営者石田貴子さん(38)は「山陰の山並みを描いたデザインが近くではっきり見ることができた」と笑顔だった。列車は出雲横田駅(同県奥出雲町)で折り返して米子駅に戻った。9月まで計22日間、一日1往復する予定。

 あめつちは、木次線の名所「三段式スイッチバック」が走行できないなど、利用者から嘆きの声もある。木次駅で列車を出迎えた石飛厚志雲南市長は「新たな顔として精いっぱい活用し、これまでとは異なる客層の獲得も期待したい」と話していた。

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