8歳からアンチエイジング…米国でα世代の子供たちがスキンケアに殺到(シェリーめぐみ)

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【ニューヨークからお届けします】

アメリカでは8歳〜10歳くらいの、思春期にも満たないアルファ世代の子供たちが、アンチエイジングのスキンケア商品に夢中になっています。一体何が起きているのでしょうか?

こうした子供たちが、人気コスメショップ・チェーンのセフォラに殺到する様子がSNSで拡散され、彼らはセフォラ・キッズとも呼ばれています。

セフォラ・キッズが大人向けスキンケアに飛びつく最大の理由は、TikTokやYoutubeなどのインフルエンサーの影響です。

完璧な肌のインフルエンサーが様々なスキンケア商品を薦めるのを見て、自分もこうなりたいと願う。また今後ニキビができるのを防ぎたい。さらに思春期の中途半端さを嫌い、早く大人になりたいという思いも強いようです。

しかしこの動きに対しては、批判的な声もあります。

アンチエイジングのスキンケア商品には、コラーゲン、レチノール、ヒドロキシー酸などが多く含まれています。文字通り成熟した肌の、しわやたるみを改善するのに効果的とされる成分です。

皮膚科医らは「こうした成分は子供には不必要なばかりか、成分が強すぎて肌が荒れたりする原因にもなりかねない。」と警告。さらに、「大人向けの製品は基本子供が使っても安全だが、子供の肌でテストしているわけではないので、どんな影響が出るかはわからない。また多くの成分に触れることで、子供がアレルギーを誘発する可能性もある」と警鐘を鳴らしています。

こうした批判を受けて、アルファ世代に大人気ブランドのドランク・エレファント(2019年資生堂が買収)は、インスタグラムで子供にも安全な製品を紹介、反響を呼びました。

もう1つ注目なのは、これを機に子供に特化したスキンケア商品の開発や、マーケティングが盛んになっていることです。

スキンケアへの関心が高まるのはいいことですが、「商業的になりすぎている」と抵抗を感じる親も少なくないようです。

(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)

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