「行く条件に東大ってのがえぐい」 新設同好会に訪れた「ガチで誰も来ない」事態…真相に仰天

東大の新設同好会にまさかの事態が起きた【写真:五月一日(@Seeyou_Mayday)さん提供】

新歓イベントでの出来事 「代表と2人だけのサークルということもなさそうなので安心しています(笑)」

新年度・新学期が始まり、大学ではサークルや同好会の新入生歓迎がにぎやかになっている。この春に晴れて新設された東京大学のとある同好会が、まさかの「誰も来ない」。ぽつんと寂しいSNS投稿が反響を呼んだ。実は、新歓イベント2日目に起きた“異変”だったというが、真相について聞いてみた。

「ガチで誰も来ない 詰んだか?」

2024年度から設立となった「東大ボカロP同好会」。キュートなパンフレットや鍵盤楽器、電子機器。本格的な雰囲気を醸し出しているが、部屋を訪れる人は誰もいない。少し寂しげな光景だ。

Xに状況を報告したのは、東大ボカロP同好会副代表で、東大後期教養学部で情報分野を学ぶ、五月一日(@Seeyou_Mayday)さんだ。普段の投稿で秀逸なベースの腕前を披露しており、「現在21歳で、ベースの演奏歴は8年ほどです。他にもギターやピアノにも挑戦しています」という。

立ち上がったばかりのボカロP同好会。東大の学生自治会に登録されており、設立趣旨は「ボカロ曲の制作を通じて、ゆるく交流する」こと。「(パソコンを使って卓上で楽曲を制作する)DTM活動だけを継続するということになると活動場所が自宅ということになり、友人ができにくく、鬱屈(うっくつ)とした気分になりがちです。また、作曲やミキシングの悩みを共有できる場があると便利です。そこで、ボカロ曲の制作を通じ交流し楽しみながら、研さんできるコミュニティーを作るという目的で設立されました」と教えてくれた。具体的な活動内容は今後部員と相談する中で考えていくという。

ところで、この閑散とした光景は何があったのか。五月一日さんは「込み入った事情があります」としながら説明してくれた。

「東大では、例年サークルオリエンテーション(以下サーオリ)という、大学に関わるサークルが新歓をするイベントが2日間にわたって開催されます。今年は4月3日、4月4日の両日で行われました。今回反響が大きかったポストは、2日目の4月4日に投稿されたポストでした」。

4月3日のサーオリでは、新入生に加え、興味を持った在校生が「予想よりも多く」ブースを来訪し、話を聞きに来た。

しかし、4月4日の午前中は人足がパタリと途絶えた。理由は不明で、「いささか驚いてこのようなポストをした次第です。ですから、『全くもって新入生が来なかった』ということではなく、『新歓イベントの2日目に突然人が来なくなった』という方が実情に近いです」と、事の真相を明かした。

閑古鳥が鳴く状況にならなかったと言い、ひと安心だ。「現在の同好会メンバー数は新入生含め24人です。新入生の募集はXで3月から開始しておりましたが、新入生の方に話を聞くと、サーオリの資料で初めて名前を聞いたという方も多かったようです」。実際にブースで対面で呼びかけた活動が奏功したようだ。

投稿は2万3000件を超えるいいねが付くなど、大反響。「行く条件に東大ってのがえぐい」「まず前提条件のクリアがキツいわ」「これを機会に東大目指すしかない!?」「行ってみたいな~~~」「現役東大生かつボカロpは相当珍しそう」「もうこれを歌にしちゃいましょ」など驚きの声が寄せられ、注目の的となった。

想定外のバズりに、五月一日さんは「サークルの認知度が上がった点でうれしく思っておりますが、同時に、東大という看板で耳目を集めてしまい、かえって気恥ずかしく思っております……」と苦笑いだ。

はやりのボカロを取り入れた音楽制作に夢が膨らむ。新たなスタートは順調で、「新入部員の方が多く入ってくれたのでこれからの活動が楽しみです! 代表と2人だけのサークルということもなさそうなので安心しています(笑)」と前を見据えている。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム

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