大谷翔平 弾丸三塁打&二塁打 ともに170キロオーバー 今永昇太に2打数無安打も魅せた

1回表、大谷翔平から三振を奪った今永昇太

【シカゴ7日(日本時間8日)発】ドジャースの大谷翔平投手(29)は敵地シカゴでのカブス戦に「2番・DH」で先発出場し、カブスの今永昇太投手(30)と日米通じて初対決し、空振り三振、三邪飛と完敗した。しかし、6回に弾丸三塁打、8回にチームの今季初完封を阻止する中越え適時二塁打を放ち、4打数2安打1打点だった。打率3割2分とした。今永は2時間51分の中断の影響で4回で降板。2安打無失点、3三振と素晴らしい投球。鈴木誠也外野手(29)は3打数無安打だった。

世界の野球ファンが注目した今永との日米初対決は初回一死無走者で実現した。現地実況は昨年3月のWBCでは侍ジャパンでチームメートだったと強調。米国との決勝は今永が先発し、大谷が9回を締めた。

初球は顔付近の高さの93マイル(約149・7キロ)のフォーシーム。思わずのけぞり、ファンはどよめいた。2球目は内角高めのフォーシームを強振してファウル。スイーパーを2球続けて見送りカウント3―1となった。5球目の内角高めのフォーシームを強振するも空振り。フルカウントからフォーシームを2球続けてファウル、スプリットにバットを当てた。そして勝負の9球目、内角高めの94・4マイル(約151・9キロ)のフォーシームにバットは空を切った。

3回二死無走者は初球、真ん中高めの91・3マイル(約146・9キロ)のフォーシームをファウル。2球目の内角高めの91・2マイル(約146・8キロ)のフォーシームに差し込まれて三邪飛に倒れた。完全な力負けだ。3試合連続マルチ安打中と好調だったが、勢いで押し切られた。

メジャー初登板初勝利を挙げた1日(同2日)のロッキーズ戦ではフォーシーム61%、スプリット26%の割合で、奪った空振り20のうち、スプリットが12だった。この日はフォーシームが79%でスプリットは16%と配球を変えてきたことで、読みを外されたかもしれない。

この日朝から雨がぱらついており、試合前、内野はシートに覆われていた。試合開始後も雨が降り続いていたが、4回一死一、三塁のカブスの攻撃中に雨脚が強くなり、中断。2時間51分後に再開した。

敵地のファンから歓声が上がったのが6回だった。二死無走者でマウンドは3番手の右腕ライター。初球、真ん中低めのカーブを一呼吸置いて振り抜いた。角度16度と上がらなかったが打球速度107・9マイル(約173・6キロ)の弾丸ライナーは右中間を真っ二つに切り裂いた。右翼を守っていた鈴木誠也外野手が差し出すグラブも届かずフェンスへ。処理に戸惑う間に大谷は二塁を回ったところで加速し、三塁に達した。今季初の三塁打だ。初戦の1打席目からブーイングを送り続けたカブスファンも打球の速さと一気に三塁に到達したスピードは認めるしかなかった。

大敗ムードの8回二死、1番ベッツが四球で出塁。4番手の右腕パレンシアと対戦。カウント2―1からの4球目、内角の97マイル(約156キロ)のフォーシームを強打。角度20、打球速度106・8マイル(約171・9キロ)のライナーは中堅手の頭を越える適時二塁打となった。飛距離396フィート(約120・7メートル)と少し詰まった分だけ、スタンドに届かなかった。これでマルチ安打は4試合連続。チームの今季初完封負けを阻止する価値ある二塁打だった。

チームは敗れたがそのなかでも存在感を発揮した2本の長打。カブスファンに強烈な印象を残した。

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