思い出の地に直筆サイン本…芥川賞受賞の九段さんの2作品3図書館に展示 「東京都同情塔」は現在500人待ち

九段理江さんのサイン本「東京都同情塔」(左)と「しをかくうま」(右)=6日、埼玉県さいたま市浦和区の中央図書館

 埼玉県さいたま市出身の作家で、「東京都同情塔」で第170回芥川賞を受賞した九段理江さん(33)の直筆サイン本が、市立3図書館に展示されている。九段さんは3月7日、市役所を訪れ、清水勇人市長から市長特別賞を贈呈された際にサインをしていた。

 展示されているサイン本は、浦和区の中央図書館児童コーナーに「東京―」2冊と野間文芸新人賞を受賞した「しをかくうま」1冊、大宮図書館2階エレベーター前と北図書館返却カウンター前に、「東京―」1冊ずつの計5冊。今月28日まで展示する。

 九段さんは旧浦和市出身で、高校から大学時代はさいたま市北区在住。当時は北図書館をよく利用したとして、「さいたま市の図書館は素晴らしく、ありがたかった」と思い出を語っていた。

 市内図書館の所有する「東京―」20冊はいずれも貸し出し中で、予約件数は6日現在、497件に上る。中央図書館は「受賞作の予約は現在、500件近くいただいており、市民の皆さまに注目されていると感じています。来館の際はぜひ、直筆サイン本の展示にお立ち寄りください」と呼びかけている。

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