SNSの心ない言葉でコメント欄を封鎖「心に刺さる」 復調へ、苦境を脱したゴルフ菅沼菜々の考え

富士フイルム・スタジオアリス女子オープン最終ラウンドに出場した菅沼菜々【写真:Getty Images】

富士フイルム・スタジオアリス女子オープン最終日

女子ゴルフの国内ツアー、富士フイルム・スタジオアリス女子オープンは7日、埼玉・石坂GC(6535ヤード、パー72)で最終日が行われた。13位で出た菅沼菜々(あいおいニッセイ同和損保)は3バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの72で回り、通算3アンダーの19位。昨季はツアー初勝利を含む2勝を飾ったが、今季は初出場から4戦連続予選落ち。苦境を抜け出せた理由に加え、SNSのコメント欄を封鎖した理由を明かした。(文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

希望の光が差す1週間になった。最終18番パー4。菅沼は落ち着いてパーセーブした。温かい拍手に包まれ、同組選手とハグ。キャディーたちと両手で握手した。

「今日は全部、バーディーパットが惜しかったので、『最後くらい入るかな』と思ったんですけど、入りませんでした(笑)」

昨季は2勝して「飛躍のシーズン」だった。年間獲得賞金は1億円を突破。トッププロの仲間入りを果たしたはずだったが、今季は前週まで出場全4戦で予選落ちした。不振の理由は「球筋やスイングを考え過ぎていました」と告白。さらなる飛躍のためだった。

「より上を目指すために、オフの間に(持ち球の)ストレート寄りのフェードをフェード一辺倒にしようとしたらハマらずでした。たまに(逆球の)ドローが出たりして」

2勝しても慢心はしない。今大会は“原点回帰”したという。

「去年は狙う場所だけに集中してガムシャラにやっていたので、今週からはスイングとか球筋を考えず、思い切ってやろうと決めました。それがハマりました。本当にあと一筋という感じですし、ここからやっていけると思います」

SNSの使い方にも変化「気にしない、とは言いつつも…」

埼玉栄高時代、週に1度はプレーしたコース。大きな声援を受け続けた。いい時も、悪い時も18ホールをともに歩いてくれる熱いファンがいる。一方、SNSには心ない言葉が届き、自身で反発する発信もしていた。

「(SNSで)応援してくれる方もたくさんいますが、DMとかにも結構、送られてきていたので、今はコメント欄を封鎖しています。『気にしない』とは言いつつも、やっぱり心に刺さるものもありますから」

乃木坂46が大好きで笑顔がトレードマークの24歳。自身のファンに喜んでもらうため、SNSでも積極的に日常を発信してきた。成績が必要なことは自分が一番わかっている。だから、この日は時間がない中でも単独取材に丁寧に応じた後、去り際に言った。

「今から(次戦会場の熊本に)行きます。道が混んでしまうので毎回(試合後に)ダッシュです」

「広場恐怖症」により、公共交通機関を利用できない。そのため、次戦のKKT杯バンテリンレディス(熊本空港CC)で開催される熊本までの約1200キロの道のりも、父・真一さんの運転で移動する。ゴルフが一番なのは変わりない。

「今日はとにかく御殿場は抜けないとですね」

過酷なツアー生活にも慣れている。プレーの迷いを吹っ切り、これから本領を発揮する。

THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe

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