岸田首相「国賓訪米」晩餐会にYOASOBI招待…大谷翔平ユニホーム土産案が消滅した一部始終

「大谷パワー」便乗をあてにしていたが…(C)ロイター

裏金議員らの処分を急いで済ませ、岸田首相は8日、意気揚々と米国へ出発する。14日までの日程で、10日に日米首脳会談、11日に米議会での演説を予定。「強固な日米同盟を世界に示す」と意欲を見せている。

首相就任後、初の訪米となった昨年1月は共同記者会見がスルーされる寂しい扱いだったが、今回は国賓待遇のため米側も手厚いもてなしだ。バイデン大統領夫妻が主催する公式晩餐会も開かれる。驚くことにそこに日本の音楽ユニット「YOASOBI」が招待されているという。「YOASOBI」は「推しの子」というアニメの主題歌「アイドル」が世界的にヒットし、ちょうど今月、米国で初の単独公演を行う。「タイミングが合ったので、招待者に選ばれたのだろう」(永田町関係者)

「YOASOBI」を介して日米友好ムードを醸し出す狙いか。岸田首相はバイデン大統領へのお土産として「輪島塗」の漆器を用意しているらしいが、「実は別のプランを準備していたのですがね」と囁くのは官邸関係者だ。

■支持率回復の切り札のはずが…

「岸田首相は今回の訪米を支持率回復のきっかけにしたいと考えてきた。その切り札のひとつがドジャースに移籍した大谷翔平選手でした。日米首脳会談の場で土産として大谷のユニホームをバイデン大統領に贈り、2人で大谷のユニホームを手にしているところを日米のカメラマンに撮影してもらう……。そんな計画が進行中だったのですが、水原元通訳の違法賭博事件でパー。大谷グッズを土産にする計画は白紙になりました。『大谷パワー』便乗をあてにしていた岸田首相は、想定外の事態に一時、落胆していました」

こうした日本側の計画を米国側も聞かされていたのか、永田町では「水原事件で動いたのがFBIではなく内国歳入庁だったのは、岸田首相の国賓訪問を前に、大谷選手を傷つけないようホワイトハウスの意向が働いた」(官邸事情通)などという怪情報まで流れた。

岸田首相の手土産といえば、昨年3月のウクライナ訪問でゼレンスキー大統領に「広島の必勝しゃもじ」を贈ったことを思い出す。侵略されている戦争当事国への土産としてどうなのか、とSNSなどで批判を浴びた。

今回は「輪島塗」。能登地震の被災地に思いを馳せて欲しい、ということだろうが、被災地では支援遅れが指摘されている。「支援より政治利用」と批判されそうだ。

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