ストレスが原因のことも 猫の「胃腸炎」に気づくきっかけと治療 【飼い主の体験談】

猫も人と同じように食物をおなかで消化し、栄養を体内に吸収しています。体に不調があると、おなか(消化器)に病変が起こることもしばしば。今回は胃と腸に関する病気である「胃腸炎」について、獣医師の佐々木文彦先生、重本仁先生にお話を伺いました。

猫の胃腸炎とは

引用元:Oxford Scientific/gettyimages

胃腸が炎症を起こすと、蠕動(ぜんどう)運動に影響が出てきます。蠕動運動が制限されると、食物が胃腸に停滞し、それが神経を通じて脳に伝わり、嘔吐することも。
逆に蠕動運動が亢進した場合は、消化吸収の時間が短くなるため、下痢になります。炎症により腸粘膜での水分の吸収がうまくいかず下痢になる場合も。
原因は不明のことが多いものの、食中毒、異物誤食、中毒、ウイルス・細菌・寄生虫の感染などで起こるおそれがあるでしょう。
治療方法は、嘔吐や下痢の症状、脱水症状を緩和するために、輸液や薬を投与し、原因に応じた対策を行います。

読者さんの体験談1:ストレスが原因の急性胃腸炎

引用元:rai/gettyimages

「新しく猫を迎えたところ、先住猫2匹が『オエオエ』とえずくようになりました。ストレスによる急性胃腸炎との診断で、胃薬を投与。また、ゴハンを与えたり、声をかけたりするのも先住猫が先というように、『先住猫ファースト』の生活に切り替えたら完治しました」(千葉県 M・Kさん)

読者さんの体験談2:年に1~2回は発症する胃腸炎

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「愛猫は、もともと胃腸が弱く、胃腸炎になりやすい体質のようです。嘔吐や下痢がひどくて入院したこともありますが、現在は療法食、整腸剤、消化酵素剤を毎日与えているためか、症状は治まっています。寒暖差にも敏感なため、室温にも気を付けています」(静岡県 N・Kさん)

胃や腸は消化器のなかでも、とりわけ病気になりやすい臓器です。消化器の病気は命にかかわるケースも少なくないため、気になることがあればすぐに動物病院で受診をしてくださいね。

お話を伺った先生/佐々木文彦先生(大阪府立大学名誉教授 医学博士 獣医師)、重本仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「ねこのきもち」2024年3月号『イラストで、部位ごとによ~くわかる 図解 猫のおなかの働き 病気のしくみ』
文/田山郁
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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