妊活オンライン相談 茨城県、窓口新設「気軽に」

「いばらき妊活・不妊オンライン相談」のメッセージ画面

茨城県は2024年度、妊活や不妊に関する悩みや不安を幅広く受け付けるオンライン相談窓口を新設した。専門家がメッセージのやりとりやビデオ通話で応じ、希望者は場所や時間を気にせず利用が可能だ。相談窓口の開設はすでに妊娠や育児に関して始まっており、県は妊活から育児まで、切れ目のない支援により「少子化対策の一助にしたい」と意気込む。

新たに開設したのは「いばらき妊活・不妊オンライン相談」。女性の健康をサポートするファミワン(東京都)に委託し、1日に運用が始まった。

相談員には、妊娠や不妊治療に関して詳しい知識を持つ「不妊症看護認定看護師」のほか、公認心理師・臨床心理士などの専門家が在籍。妊娠にまつわる悩みだけでなく月経のトラブルや心の不調、パートナーとの関係など幅広い相談を受け付ける。

登録の際は、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を利用。県内在住か、県内に在学・在勤する人は無料で使用できる。年末年始の休み期間を除いて利用でき、ビデオ通話は1回20分。午前9時から午後9時までの時間帯で予約する。

実際に出向いたり、日程調整をする手間を省いたオンライン窓口を設けたことで、県は気軽な利用を呼びかける。既設の妊娠や育児に関する相談窓口「いばらき妊娠・子育てほっとライン」(県助産師会に委託)と合わせて、妊活から子育てまで一貫してサポートしていく方針だ。

女性1人が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は全国、茨城県ともに下降傾向。茨城県で23年に生まれた赤ちゃんの数(出生数、速報値)は前年比949人減の1万5595人で過去最少だった。

県少子化対策課では「県内で不妊治療への関心は高くなっている」と認識。不妊治療の保険適用前に国や県が補助を行っていた「不妊治療費助成事業」は、21年度の助成件数で延べ4241件に上った。

妊活の段階から手厚い支援を行うことで、同課は「子どもを望む人や子育て中の人が住みやすい県となり、少子化対策につなげたい」とした。

◇会員登録希望者はラインの「友だち追加」で、@famione-supportを検索し「ファミワンヘルスケア相談サポート」を追加する。登録時「クーポンコード」に「ibrk茨城県」と入力し、居住地や通学・通勤先の市町村も記入すると無料になる。問い合わせは同課(電)029(301)3257。

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