え、まだ望みがあるの…?心拍確認ができない赤ちゃんの奇跡を願う一方で精神状態が限界に

40歳元ファッションスタイリストの子宮頸がん闘病記。前編に続く後編です。

【連載 子宮頸がん日記#16】後編

ある程度覚悟ができていたけれど

「赤ちゃんがいない=心拍が確認できない」という事実に変わりはありませんでしたが、先生は、胎嚢が綺麗に丸く成長していることが気になっているようでした。

妊娠6週目から、心拍を確認したくてクリニックを転々とし、最終地点のバリにきても、まだ結論が出ない私の妊娠。

しかし、8週目で心拍が確認できなければ、今後の赤ちゃんの発育は100%望めません。

日本産婦人科学会でも、以下のように記載しています。

胎児心拍の描出率は、週数とともに増加し、妊娠8週相当で100%に達する。

引用:公益社団法人日本産婦人科学会│稽留流産の診断

しかし、ここはインドネシア。たびたび奇跡が起こる国なのか、インドネシア人医師はまだ望みがあるとおっしゃいます。

「稽留流産手術をする予定ではいるが、手術前にもう1度だけ超音波検査で赤ちゃんを診てみよう」とおっしゃるのです。

通常、流産の場合には、自然に排出されるのを待つ方法もあります。しかし、私の場合、胎嚢は成長しているので、排出時には腹痛とともに大量出血による感染症を引き起こす可能性もあるとのこと。

そのため、自然排出を待つのではなく、子宮内に器具を入れて赤ちゃんを掻き出す稽留流産手術をすることになりました。

正直なところ私は、8週で心拍確認ができない時点で、もう赤ちゃんは難しいと思っていたため、気持ちを切り替えて前向きに過ごしたいと思っていました。赤ちゃんのことを考えて不安続きの4週間。そろそろ精神的にも限界が来ていたのです。

妊娠しているのでお酒もやめていましたが、「もう飲もう!」と決めて冷蔵庫にビールも冷やしてきました。笑

しかし、またしても持ち越される診断…。

先生はまだ望みがあるとおっしゃいましたが、私には気休めにしか聞こえません。何度も希望と絶望を繰り返し味わった今、もうすっかり心が疲弊してしまっていたんだと思います。

赤ちゃんがいないにも関わらず、成長している胎嚢。それに伴い膨らんでいくお腹。

もはや何を育てているのかわからないという状況に虚しさが募る中、翌週の稽留流産手術まで(お酒を控えて)待つことにしたのです。

「神々が住む国」ともいわれるバリ島で、果たして奇跡は起きるのか…!?

▶▶【つづき】は4月14日(日)配信予定です

<<

© 株式会社主婦の友社