野山や里に春到来 花々ほころぶ 7日の青森県内、8地点で20度超

咲き始めた紅梅が訪れた人の目を楽しませている津軽フラワーセンター=7日、五所川原市
日当たりの良い斜面で見ごろを迎えているカタクリの花=7日午前、青森市の浅虫温泉森林公園

 青森県内は7日、高気圧に覆われて全域で気温が上がり、23観測地点のうち19地点で今年最高を記録した。青森地方気象台によると、各地の最高気温は三戸が24.6度と6月下旬並みになったのをはじめ、弘前22.8度、黒石21.9度、十和田21.7度など、8地点で20度を超す暖かさとなった。陽気に誘われ各地で花々がほころび始め、野山や里に春到来を告げている。

 最高気温が21.0度と5月下旬並みとなった五所川原市。同市神山の「津軽フラワーセンター」では梅の花が咲き始めており、訪れた人々がスマートフォンなどを手に梅林の中を歩く姿が見られた。

 同センターは「北限の梅林」の名称で知られ、剪定(せんてい)を請け負っている地元の長橋地区住民協議会によると、約1400本が植えられている。花をほころばせているのはまだ一部だが、紅梅を中心に白梅もちらほら。弘前市から家族と訪れ、絵筆を動かしていた多田羅洋太さん(45)は「風に乗ってやってくる梅の香りに包まれて、気持ちよく描けた。最高のひとときです」と笑顔で語った。

 同協議会の秋元和光会長(73)は「昨年よりも1週間ほど咲くのが遅いようだが、次の週末には見ごろになると思う。多くの人に来てほしい」と話していた。

 一方、青森市浅虫の浅虫温泉森林公園では、遊歩道沿いの斜面の一部でカタクリの群生が紫色のかれんな花を咲かせ、登山客らがめでる姿が見られた。季節ごとに公園を歩いているという市内の藤井烈さん(68)、美智子さん(70)夫妻は「春が待ち遠しかった。風に揺れる花がかわいらしい」と、カメラやスマートフォンでの撮影を楽しんだ。

 同気象台によると、8日も気温は上がる見込みで、主な地点の予想最高気温は、弘前23度、むつ19度、深浦18度、青森と八戸17度。

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