継承の拠点に 八戸三社大祭(青森県)の山車制作展示施設完成

旧柏崎小学校跡地に完成した山車制作展示施設を見学する関係者ら(外観)=7日、八戸市柏崎2丁目
旧柏崎小学校跡地に完成した山車制作展示施設を見学する関係者ら(内部)=7日、八戸市柏崎2丁目

 青森県八戸市柏崎2丁目の旧柏崎小学校跡地に市が整備していた八戸三社大祭の山車制作展示施設が完成した。市は7日、町内会や山車組関係者向けの内覧会を現地で開き、出席者が完成を祝うとともに施設内部を見学した。今年の三社大祭前夜祭である7月31日に一部団体が使用を始めるが、山車制作のための本格的な使用は来年からの見込み。

 同施設の建設は長年の懸案となっている八戸三社大祭の山車制作の場づくりや中心市街地の魅力向上、地域の拠点づくりなどが目的。広さ約150平方メートル、高さ約8メートルの山車施設6棟と、約55平方メートルの倉庫兼休憩室(高さ約5.5メートル)を整備した。内閣府のデジタル田園都市国家構想交付金を活用し、総建設費は約5億3千万円。2023年6月下旬に工事に着手し、24年3月25日付で完成した。

 利用するのは、八戸三社大祭全27山車組のうち、柏崎地区連合町内会の6団体(柏崎新町附祭、十一日町龍組、下組町山車組、類家山車組、塩町附祭組、下大工町附祭)。

 内覧会に出席した利用団体などの関係者は、市職員から施設概要の説明を受けながら内部を見て回った。

 市は敷地北側エリアにトイレや多目的広場、遊具を設置した遊び場を設ける計画で、24年度に実施設計を行い、25~26年度に整備する。施設南東側の通称・ゆりの木通り沿いは桜ゾーンとして植樹も計画している。

 市の下村晃一観光課長は「祭りは山車制作者や観客、地域住民らがいてこそつながっていく。祭りを継承する環境整備の一つができた。他の地域の課題もあるので一つ一つ取り組んでいきたい」と述べた。

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