「大関組紐」商品化へ前進 大田原 黒羽藩主大関増業公記録の技法再現 試作品を奉納

奉納された8種類の「大関組紐」試作品

 黒羽藩11代藩主大関増業(おおぜきますなり)(1782~1845年)がまとめた兵学書を中心とする百科全書「止戈枢要(しかすうよう)」で紹介されている組みひもを、「大関組紐(くみひも)」として現代に復活させるプロジェクトが商品化に向けて前進している。栃木県大田原市と大田原市観光協会を中心に、使用する色など地域ブランドとしての仕様がほぼ決定。3月には大関家の菩提(ぼだい)寺である黒羽田町の大雄寺(だいおうじ)で、増業公180回遠忌に合わせた試作品の奉納式が行われ、関係者がプロジェクトの成功を祈願した。

 組みひもは古くから、甲冑(かっちゅう)の材料となる短冊状の板「小札(こざね)」を上下につなげる「威糸(おどしいと)」などとして、武具に多用されていた。止戈枢要の「組紃備考(そしゅんびこう)」の巻には、組みひもの材料や道具、製作技法などが詳述されている。

増業公180回遠忌に合わせて行われた大関組紐の奉納式

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