ジョニー・アイブとサム・アルトマン、パーソナルAIデバイス開発の資金を募集中か

Image:Camilo Concha/Shutterstock.com

OpenAIのサム・アルトマンCEOと元アップルのデザイン最高責任者ジョニー・アイブ氏が、AIを搭載したパーソナルデバイスのデザインにつき正式に提携し、資金を募集していると米ニュースメディアThe Informationが報じている。

数か月前、両者はOpenAI初のコンシューマー向けデバイスを開発すべく話し合ったと英Financial Timesが伝えていた。同時期にThe Informationも記事にしており、その続報という形となる。

当時は「AIのiPhone」を目指すとされていたが、今回も「スマートフォンのようには見えない」以外の具体的な情報はない。アルトマン氏は画面のないウェアラブルAIデバイス「Humane AI pin」に出資しており、同様の製品になる可能性がある。

また別の例として、今年初めにAIハードウェアスタートアップrabbitがモバイルAI端末「rabbit r1」を発表していた。こちらは小さな画面があり、ボタンを押しながら質問や命令をしたり、アナログホイールやボタンで操作する。

昨年秋の時点では、アイブ氏とアルトマン氏の提携は初期段階に過ぎず、正式な話は何もなかった。しかし現時点では、両者はスタートアップ(名前は不明)を立ち上げ、大手ベンチャーキャピタルと協議を始めたという。アイブ氏は最大10億ドルの調達を目指しているとのことだ。

OpenAIは事業の一部を所有する可能性があり、ソフトバンクの孫正義CEOとも交渉中という。ほか投資家の候補には、OpenAIに出資しているThrive Capitalや、ローレン・パウエル・ジョブズ氏(スティーブ・ジョブズ氏の妻)が設立した非営利団体Emerson Collectiveも挙がっている。

かつてアイブ氏は、アップルの自動車開発プロジェクト「アップルカー」にも深く関わり、「ハンドルもペダルもない」ドライバー抜きの完全自動運転を提案したと報じられていた。iPodやiPhoneで大成功を収めた希代のデザイナーは、新たなパーソナル・コンピュータのあり方を追い求めているようだ。

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