「ライバル視はマジでない」なでしこJの主将・熊谷紗希は新鋭MF谷川萌々子をどう見ている?

キャプテンは新鋭MFをどう見ているのか。

なでしこジャパンは現地4月6日、『SheBelieves Cup』の準決勝でアメリカ女子代表と対戦。1-2で逆転負けを喫した。

敗れたものの、中盤で上々のパフォーマンスを披露したのが、代表初先発を果たした18歳の谷川萌々子だ。

4-3-3のアンカーを務め、自陣から前線へ精度の高いロングボールを供給し、開始30秒の清家貴子のゴールをお膳立て。また、当たり負けしないフィジカルを活かし、守備でも奮闘した。

谷川は昨年12月のブラジル遠征で初招集され、その後もコンスタントに選出。なでしこジャパンに新しい風を吹かせている。

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試合翌日の練習後、主将の熊谷紗希はアメリカ戦の谷川をこう評価した。

「前を向いた時の萌々子から出てくるパスは、昨日の試合も素晴らしいものがありました。それをもっとチームとして出していける形を作っていきたいというか、特長を活かしていきたい。

何より前に強い選手だし、球際にいける選手で、本当にロングボールも左右蹴り分けられる選手なんで、その特長を自分たちが試合の中で活かしたかった。それでも、自分の特長を出すプレーっていうのは、すごく昨日、出そうとはできてたと思うし、本当に期待しかしてないですね」

熊谷自身も代表では本職のCBに加え、アンカーを務めることもあるが、同ポジションの谷川をライバル視はしていない。

「(ライバルだとは)正直、全く思っていないですね。なんかライバルっていうか、チームのために何が一番良いかって考えた時に、自分が後ろをやった方がいいなら絶対やるし、そこ(アンカー)に正直、固執してない。アンカーは(谷川)萌々子だろうが(長野)風花だろうが(長谷川)唯だろうが、それによってチームがうまく回るんだったら、もう間違いなく、絶対そっちの方がいいと思います。

だから、ライバル視はマジでないです。自分がそれで出場することを諦めるというわけではなく、自分が出た時にはセンターであってもアンカーであっても、それがチームのオプションとなって、チームのためになれればいい。全然平気というか、マジでどんどん出てこいって思います、若い子が」

すべてはチームのために――。なでしこジャパンを牽引し続けるキャプテンらしい回答だった。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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