次の機会に向けて自信を持ち続けるFAのRBダルヴィン・クック

ダルヴィン・クック【Perry Knotts via AP】

4年連続で1,000ランヤードを突破してプロボウルに選出されていたところから一転、ランニングバック(RB)ダルヴィン・クックは2023年シーズンに後回しにされるようになった。

その傾向はフリーエージェント(FA)が始まって1カ月近くが経過した今も続いているが、クックはまだ契約を結んでいないにもかかわらず、自分の破壊力に相変わらず自信を持っている。

現地5日(金)、クックはワークアウト中に『KPRC 2』のアーロン・ウィルソンに「全部ある。ツールはまだここにある。去年はレップス数が少なかった。脚はフレッシュだし、経歴がそれを物語っている。俺は今もダルヴィン・クックだ。今も変わらずその男だ。自慢をするのは好きじゃない。ただそこに行ってヘルメットをかぶり、芝生の上で列に加わりたいだけ」と語った。

NFLのランニングバックとして7シーズンにわたってプレーしてきたクックは、繰り返しケガに見舞われたことを除くと、昨シーズンまで順調にキャリアを歩んでいたと言える。

2017年ドラフト2巡目指名を受けたクックは、キャリア通算で6,207ランヤード、タッチダウンラン47回を記録。さらに、キャッチ236回で1,872ヤード、タッチダウン5回もマークしてきた。

ミネソタ・バイキングスから放出されたことを受けてニューヨーク・ジェッツに加入した昨シーズン、クックは合わせて292ヤードしか稼げず、完ぺきにマッチしているとは到底言えない状態に陥っている。

昨夏にジェッツが結んだ多くの契約と同様に、クックの契約はジェッツがスーパーボウルまでコマを進める準備を整えていることを示すものだと考えられていた。

しかし、クオーターバック(QB)アーロン・ロジャースがシーズン初戦における4回目のスナップでアキレス腱(けん)断裂に見舞われ、残るシーズンを欠場することになった後、オフェンスはバックアップのザック・ウィルソンの下で大きく低迷。また、キャリア2年目のRBブリース・ホールがケガから復帰してスピードを取り戻した一方で、クックはホールを補完するどころか、2番手として15試合に出場し、試合平均キャリー数は4.4回にとどまっている。

ジェッツとクックはシーズン第17週の終了後に決別することで合意し、クックはそれからAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)の第1シードを保持していたボルティモア・レイブンズと契約。レイブンズではポストシーズンの1試合に出場し、キャリー8回、23ヤードを記録した。

バイキングスでの最終年にあたる2022年に、クックの能率はいくらか下がっていたとはいえ、その後の落ち込みは驚くほど激しかったと言えよう。

セイクワン・バークリーやデリック・ヘンリー、ジョシュ・ジェイコブス、アーロン・ジョーンズ、オースチン・エイケラー、トニー・ポラードといったベテランRBがすでに新天地を見つけていることからも明らかなように、たとえクックが以前の姿を失っていなかったとしても、2024年にNFLのオフェンスで先発になれる可能性はますます低くなっている。

それでも、所属先探しが遅れているのは、クックが今回は忍耐強くありたいと考えているからでもある。

「去年は本当に勉強になった」と振り返ったクックは「むずがゆい感じだった。シーズンが近づいているときは、あそこが行きたい場所だった。でも今は、待ち受けている機会が重要だ。その機会にどうするかが重要なんだ。俺にとっては忍耐強さがカギとなる。だから、準備を整えた状態で自信を持ち続けよう。きっとうまくいくはず」と続けている。

どのチームに加入するにしても、クックはそのRBルームで自分の価値を証明しなければならず、その際の仕事量は2023年と同じように少ない可能性が高い。繰り返しになるが、クックはそれを実現できると確信している。

8月に29歳になるクックは「どこに行っても、自分のスポットを獲得しにいくつもりだ。だから、今はただ、みんながどうなっていくかを見守るだけ。それから、俺のことは知っているだろうけど、こっそりそこに忍び寄るつもりだ」とコメントした。

【RA】

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