レイダース時代のチームメイトであるDEクロスビーとの対決を楽しみにするセインツQBカー

ニューオーリンズ・セインツのデレック・カー【AP Photo/Ryan Sun】

いつかはまだ分からないが、それが実現することは分かっている。

ラスベガス・レイダースで9シーズンを過ごし、レイダースから放出された後にニューオーリンズ・セインツで1シーズンを過ごしてきたクオーターバック(QB)デレック・カーが、2024年シーズンに初めて自分をドラフト指名したチームと対決する。

現地5日(金)、ソーシャルメディアでファンからの質問に答えていたカーは、特にレイダース時代のチームメイトであるディフェンシブエンド(DE)マックス・クロスビーと対決することについて「楽しみだ。待ちきれない」と語った。

2014年ドラフト2巡目でレイダースから指名されたカーは、パスヤード(3万5,222ヤード)とタッチダウン数(217回)でフランチャイズ記録を樹立。9年に及ぶ在籍期間で2度、チームをプレーオフ進出に導き、プロボウルには4度選出された。最後に選出されたのはレイダースでの最終シーズンで、シーズン終盤にベンチに下げられた後に決まっている。

カーはレイダースの一員として臨んだレギュラーシーズンにおける最後の2試合を欠場。その後、リリースされてセインツに移籍した。

セインツでの初年度は不安定なものだった。カーは一貫性を保つのに苦しみ、またしてもプレーオフ進出を逃している。しかし、それまでの2シーズンでそれぞれ14回喫していたインターセプトを8回にまで減らし、タッチダウンパス数(25回)は2017年以降で2番目の多さだった。

今季、カーがいつレイダースと対決するとしても、2023年シーズンの早い時期に顔を合わせた場合と比べると、リベンジの意味合いは少し弱まるだろう。

カーに見切りをつけた後、ジェネラルマネジャー(GM)を務めていたデイブ・ジーグラーとヘッドコーチ(HC)を務めていたジョシュ・マクダニエルズの在任期間は、翌シーズンのハロウィーンの夜までしか続かなかった。レイダースは3勝5敗のスタートを切った後に2人を解雇している。

スタッフが新しくなったため、カーには必ずしも相手側のサイドラインにいるコーチが間違っていたと証明する必要はない。とはいえ、フィールドには友人のワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスやクロスビーなど、お馴染みの面々が登場する。練習でQBの赤いジャージーに配慮しながら4シーズンを過ごしてきたクロスビーは、ついに実戦でカー相手にその恐るべきパスラッシュ力を発揮することになる。

カーのクロスビーに対する事前戦略は、一言で言うと、賢明ではない。

「彼にケンカをふっかけてパンチして、彼がパンチし返すところだけを審判が見たらいいんだけどね」と明らかに冗談を言ったカーは「それが目標だ」と続けた。

カーとクロスビーの対決は、モハメド・アリ対ジョー・フレイジャーのような名勝負には及ばないだろう。どちらかと言えば、コメディ映画『The Hangover(ハングオーバー)』でザック・ガリフィアナキス演じるアランがマイク・タイソンと対戦する場面の方が近いかもしれない。

いずれにせよ、カーは春のうちに、自分がいつ元所属チームを迎え撃つかを知ることになる。

【RA】

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