巨人・阿部慎之助監督、今季は中日・立浪監督との“昭和感たっぷり”スパルタ対決に注目

この冬のドラマでは、阿部サダヲ主演の『不適切にもほどがある!』(TBS系)が大きな話題となったが、「プロ野球界の阿部」の“不適切ぶり”ももっぱらの話題だ。

いうまでもなく『不適切にも…』は、昭和のダメおやじが令和にタイムスリップする物語。昭和の常識が令和では“コンプラ違反”で非常識になる様が共感を集めたが、今季から巨人を率いる阿部慎之助新監督が、昭和風の指導法を導入。これが賛否を呼んでいる。

「巨人は昨年まで3年連続で優勝を逃し、特にここ2年はBクラス。V奪回を目指して抜てきされたのが、原監督の下で2軍監督を務めた阿部慎之助です。ですが、就任前からパワハラを危惧する声はありました。現役時代には、ピリッとしないピッチングをした澤村拓一の頭を大観衆の前でポカリと叩いたり、後輩の小林誠司に丸刈りを命じたこともありましたし、2軍監督時代には、早大野球部との練習試合に負けて1時間の罰走を命じたり、打ち込まれた投手に懲罰ノックをしたこともありました。とにかく“昭和風”なんです。監督就任以降も、『選手とコーチは飲みニケーションを』『休日はゴルフで交流すべし』といった昭和感たっぷりの内容の冊子を配布したかと思えば、オープン戦では『プロ野球を知らない選手がいた』と選手をこき下ろし、秋広優人についてインタビューで『センスはないと思う』と評したことも。本人もパワハラ批判を気にしているようですが、危なっかしい言動は続いています」(週刊誌スポーツ担当記者)

パワハラと“熱い指導”は表裏一体だが、阿部監督の諸々の言動は、令和では“アウト”とみなされそうなものばかり。開幕後もスタートダッシュに失敗し、1試合で2軍に落とされた選手もいて、早くも不穏な空気が漂っている。選手時代は1年目からレギュラーをつかみ、2012年には打率と打点の2部門を制してMVPを獲得。ベストナイン9回、ゴールデングラブ賞4回と実績は申し分ないが、監督としての適性に疑問符をつける声もある。

「打撃に関して言えば、阿部は野村克也、古田敦也、城島健司らと並び、捕手として歴代最強クラスのバッター。彼がレギュラーだったシーズンのうち、約半分はリーグ優勝しており、間違いなく球史に残る選手です。しかし、キャッチャーとしての評価は正直微妙。盗塁阻止率は合格点ですが、キャッチする前に1度ミットを下ろすクセがあって、投手や捕手出身の評論家から度々そのクセを直すよう指摘されていました。ミットを下ろすと投手が投げにくく、審判もジャッジしにくくなるからです。また、リードについても、『自分が打つと、気分が良くなってストレートの要求が増える』と揶揄されるレベル。さらにマヌケすぎる不倫騒動もありましたし、指導者としてはどうなのか……」(ベテラン野球ライター)

理論がなくても統率力があれば、それはそれで1つのリーダー像だが、パワハラの疑いがかかるようではリーダーシップも何もあったものではない。もっとも、今季のセ・リーグには“お仲間”がいる。今年で就任3年目の中日・立浪和義監督だ。

「立浪監督は現役時代からストイックなイメージでしたが、2022年に満を持して監督の座につくと、キャンプ初日に『ヘラヘラ笑いながらやってる選手は外すよ』と宣言し、チームから完全に笑顔が消えました。さらに昨年は、試合前にモリモリとご飯を食べていた選手を見て、『そんなに腹いっぱい食べたら良い働きはできない』と、食堂から炊飯器をなくす“令和の米騒動”も発生。選手の不満は募り、中日のベンチを『まるでお通夜』と評する記者もいたほどです。奇しくも昨年はノビノビ野球の広島・新井貴浩監督が好成績を残しましたが、プロ野球の世界は“勝てば官軍”。巨人と中日が優勝を争うような展開になれば、『やはりリーダーは強い人でないと』という意見も出てくるでしょう。ただ、両チームとも低空飛行に終わるようなら、両監督とも相当な批判を浴びるはず。球界から強権派監督やコーチが一掃されるきっかけになるかもしれません」(同上)

コンプラ重視の令和スタイルに移行するか、“不適切”な昭和流に舞い戻るか、秋に笑うのはどちらか?

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