新日本の世代交代はならず! IWGP世界戦は内藤哲也が辻陽太に勝利し「新しい選手の壁となって立ち塞がる」

新日本プロレスは春のビッグマッチ『SAKURA GENESIS 2024』4.6東京・両国国技館大会を開催した。メインイベントでは、IWGP世界ヘビー級選手権試合、チャンピオンの内藤哲也に『NEW JAPAN CUP』覇者の辻陽太が挑戦するロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン同門によるタイトルマッチが実現した。

今大会はオカダ・カズチカ、ウィル・オスプレイといった主力選手がアメリカのAEWに移籍したこともあり、ファンの間からは新世代の台頭を求める声も多く、辻に対する期待が大きかった。場内は大きな声援で辻を後押し。しかし内藤は余裕の表情で辻の首を攻めてデスティーノへの布石を打っていく。勢いで勝る辻はジーンブラスターから怒涛の攻撃を見せるが、内藤は掟破りのジーンブラスターを炸裂させると、バレンティアから踏ん張る辻にデスティーノを決めてカウント3。内藤が王座を防衛するとともに世代交代を許さなかった。試合後、4.12アメリカのシカゴ大会で内藤との対戦が決まっているジョン・モクスリーがタイトルに挑戦表明。シカゴ大会ではタイトルマッチとして行なわれるようだ。

バックステージで内藤は「それにしても、辻陽太は凄いレスラーだな。ヤングライオンの時、なんでかわからないけど、彼に目が行ってしまってね。彼のことが凄く気になって、そして数年後、こうして俺の目の前に立ってる。なんか、凄い不思議だなって思いますよ。
そういえば練習生時代、クビになりかけてた高橋ヒロムが気になって、俺がいろいろ教えたり、ヤングライオン時代の辻陽太が気になって目をかけてたら、こうして一気に上り詰めてきたり、俺、(左目を指で見開いて)見る目あるね。自分でもそう思うよ。
辻陽太は新世代、確かにまだ若い選手だし、海外から帰ってきたばっかだし、次世代。まあでも、もう文句のつけどころがないぐらい今のトップの一角でしょう。なんかそんな状況が嬉しくもあり、悔しくもあり、でもこうして新しい新日本プロレスの力、新しい選手の壁となって立ち塞がる。この状況がなんか嬉しくもあるなんて思いますよ。
俺に残された時間は、あとどれだけあるかわからない。でも、俺がいるうちにドンドンチャレンジして来いよ。陽太、何回でも来いよ」と若手の時から目をつけていたことを明かしていたが、かつてNHKで放送された『プロフェッショナル 仕事の流儀』で内藤が取り上げられた際、「辻の試合が気になるんで」と辻の試合を隠れながら観る姿が映し出されており、内藤はかなり早い段階から、未来のスター候補として辻に目をつけていただけに、辻の壁になり続けながらも越えてほしいという気持ちも強い。 一方、世代交代をやり遂げられなかった辻はヤングライオンの肩を借りてコメントスペースに現れると、ヒザをついて「勝てなかった。俺は新日本を背負っていかなきゃいけないんだ。それは負けた今でも、その気持ちは変わらない。今日負けたなら、今日倒れたなら、また立ち上がる。倒れても転んでも、何度だって立ち上がる。それを見せるのがプロレスラー、そして新日本プロレスだろう? 今日はただ運命が俺に振り向かなかっただけだ」と強がっていたところで、デビッド・フィンレーらWAR DOGSが襲撃。辻はNJCでEVILにも勝利を収めているだけに、H.O.Tも含めたバレットクラブ系のユニットから標的にされる可能性が高い。世代交代はならなかったが、まずはNJCで築いた現在のポジションを譲らずに真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX』で再び頂点に立ち、今度は東京ドームのメインイベント出場を目指していく。
◆新日本プロレス◆
『SAKURA GENESIS 2024』
2024年4月6日
東京・両国国技館
観衆 6632人
▼IWGP世界ヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
<王者>○内藤哲也(34分26秒 片エビ固め)辻陽太●<挑戦者>
※デスティーノ

文⚫︎どら増田

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