バークリーは自身がNFL屈指のRBである理由を示すはずとイーグルスWRキャンベル

フィラデルフィア・イーグルスのパリス・キャンベル【NFL】

あまり目立たない形でニューヨーク・ジャイアンツからフィラデルフィア・イーグルスに移籍したワイドレシーバー(WR)パリス・キャンベルは、ランニングバック(RB)セイクワン・バークリーがイーグルスで大活躍すると予測している。

ジャイアンツで1シーズンにわたってバークリーを見てきたキャンベルは、プロボウルに2度選出された経歴を持つバークリーがイーグルスの強固なオフェンシブラインを利用して、2024年のRBランキングでトップに躍り出ることができるはずだと信じている。

『Philadelphia Inquirer(フィラデルフィア・インクワイアラー)』のオリビア・ライナーによると、キャンベルは現地6日(土)に「彼はリーグ屈指のランニングバックである理由を人々に示すと思う」と話し、こう続けたという。「彼とクリスチャン・マカフリーの間に多くの議論があることは知っている。誤解しないでほしいんだけど、クリスチャン・マカフリーはリーグで最高のランニングバックの1人だ。でも、セイクワンを間近で見て、同じチームで、同じロッカールームにいることができて、正直、フィールドにいるときの彼はまるで別人だ。うちのオフェンシブラインの後ろにランニングバックがいれば、相手ディフェンスにとってはかなり恐ろしいと思う」

「ジェイレン(ハーツ、クオーターバック/QB)と、彼が足を使ってできることを組み合わせれば、プレーを広げたり、ポケットの外に出たりするだけじゃなくて、リードオプションゲームとかRPO(ランパスオプション)のようなこともできるだろう。つまり、可能性は無限大だ」

バークリーはジャイアンツで浮き沈みの激しい6シーズンを過ごしてきた。AP通信オフェンス部門年間最優秀新人賞を受賞して一躍有名になったバークリーは、キャリア最初の2シーズンにトータルで3,469ヤード、タッチダウン23回を記録している。

ACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)の断裂で2020年シーズンの大半を棒に振ったバークリーは、2021年シーズンも足首のケガで調子を崩していたものの、ジャイアンツが驚くべきことにプレーオフに選出した2022年シーズンには、1,312ランヤードを記録してキャリアハイを更新した。

昨年のオフシーズンにフランチャイズタグをつけられたバークリーは、交渉の末に別の形の1年契約に合意。その後、ジャイアンツとバークリーは6勝11敗と精彩を欠くシーズンを送っている。バークリーはタッチ288回で1,242スクリメージヤード、タッチダウン10回と、ジャイアンツ攻撃陣における唯一の脅威として活躍した。

プロボウルに3度、オールプロのファーストチームに2度選出されただけではなく、2023年オフェンス部門年間最優秀選手賞に輝いた経歴も持つマカフリーは現在、NFLにおけるRB1という称号に値する。マカフリーは昨季、ランヤード(1,459ヤード)とスクリメージヤード(2,023ヤード)、トータルタッチダウン(21回)でリーグをけん引。これまでのキャリアでバークリーを上回っているのは確かだが、マカフリーにもまた、サンフランシスコ・49ersに移るまで、ケガやカロライナ・パンサーズの非効率なオフェンスに悩まされ、山あり谷ありの日々を送っていた時期があった。

バークリーもおそらく、再出発によってさらに調子を上げられるだろう。

一方のキャンベルは、バークリーとの新たな場所での再会が、ジャイアンツでの不遇な1年を忘れさせてくれると楽観視している。

インディアナポリス・コルツでの4シーズン目にブレイクアウトを果たし、レシーブ数(63回)、レシーブヤード(623ヤード)、タッチダウン数(3回)でキャリアハイを更新したキャンベルだが、ジャイアンツではレシーブ20回、104ヤードにとどまっている。エンドゾーンに近づけずにいたキャンベルは、健康であるにもかかわらず、最後の1カ月で試合に出られなかった。

1年契約でイーグルスに加入するキャンベルは、再びニック・シリアニの下でプレーすることになる。現在、イーグルスのヘッドコーチ(HC)を務めているシリアニは、キャンベルがNFL入りしてからの2シーズンで、コルツの攻撃コーディネーター(OC)を務めていた。

キャンベルはシリアニについて「彼は俺を選手としてどう生かせばいいか知っている。俺のスキルがどのようなものかを理解している」とコメントしている。

シリアニのことを知っているキャンベルは、A.J.ブラウンやデボンタ・スミスの後ろで、ターゲット数をかけて競う準備が整っていると言えよう。キャンベルはそのスピードで、両選手をうまく補完することもできるはずだ。

「入っていって、自分の役割を確立することができるはず。公平な機会を得て、そこから前進して、いつでもチャンスをつかむつもりだ」と強調したキャンベルは「選手としての自分に自信がある」と続けた。

キャンベルが役割を見出してWR陣を強化し、バークリーが自分より上に位置しているとされているランニングバックを上回ることができれば、イーグルスは2023年シーズンに経験した崩壊から立ち直れるはずだ。

【RA】

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