香港政府、株式相互取引の強化に意欲 「リスク管理の選択肢増へ」

Selena Li Dorothy Kam

[香港 8日 ロイター] - 香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は8日、「HSBCグローバル・インベストメント・サミット」に出席し、中国の景気減速などで打撃を受けている証券市場に対する追加支援策を検討していると明らかにした。

ハイテク企業を対象とした上場制度の改善など、すでに多くの支援策が講じられているとした上で、「取引メカニズムの改善から投資サービスの促進、マーケットプロモーションの強化まで、追加措置を検討していることをうれしく思う」と述べた。詳細には触れなかった。

香港のハンセン指数<.HSI>は2023年に14%近く下落し、4年連続のマイナスとなった。

李氏は「支援策が根付き、マクロ環境が改善すれば、株式市場の持続的な発展も期待できる」と指摘。市場の競争力を高めていく方針も強調した。

陳茂波(ポール・チャン)財政長官によると、香港政府は現在、リスク管理関連の金融商品を提供する新たなコネクトプログラムの導入を中国本土に働きかけている。

陳氏は「香港のチャンネルを利用して本土に投資する外国人投資家はリスク管理の選択肢が増えるだろう」と説明。新しい制度は10年前に始まった「株式相互取引(ストック・コネクト)」を強化するものになるという。

HSBCのマーク・タッカー会長は香港について、広大な資本市場、コモン・ロー制度の維持という強いコミットメント、「揺るぎない」米ドルペッグにより、グローバルな金融センターとしての役割を果たし続けるだろうと述べた。

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