【巨人】マイナーでも通用しない32歳の筒香狙う是非…大物加入ならまた若手の芽を摘む

阿部監督は「調査はしていただいているみたい」と認めたが…(C)日刊ゲンダイ

巨人とDeNAが場外戦を演じているという。

「7日に日刊スポーツの東京版が報じた、【筒香 日本復帰】の1面記事です。米大リーグ・ジャイアンツとマイナー契約を結んでいた筒香(嘉智=32)が3月に退団。渡米5年目の今季もメジャーでの活躍の場を得られず、その時点で複数のメディアが【日本球界復帰も視野】と報じてはいました。が、今回の記事はさらに踏み込んでいて、すでに筒香の代理人が国内複数球団と交渉を行っており、巨人は複数年契約を提示しているとか。古巣のDeNAが変わらずラブコールを送り続けている中、記事では巨人が一歩も二歩もリードしているような書き方でした。8日朝には、スポニチも『DeNA復帰至らず 巨人筒香』と報じました」(球界関係者)

実際、巨人は原前監督時代から、筒香が所属球団を失うたびに繰り返しアタックしてきた。阿部慎之助監督(45)が就任した今季は、外野のレギュラー候補として獲得したメジャー通算178本塁打のオドーアが、二軍調整を拒否して開幕直前に電撃退団。外野のレギュラーを固定できずにシーズンがスタートしており、日米通算223本塁打の筒香は補強ポイントに合致する。

DeNAに連敗して迎えた7日は3-0で一矢を報いたものの、「3番・左翼」でスタメン出場した丸佳浩(34)が二回の守備から交代。初回の走塁で足に異変が生じた。阿部監督は「走っている姿があまり良くなかった。大事には至っていない。休み明けにはしっかり治して出てくれると思う」と軽傷を強調したが、丸は昨季も不振と故障に苦しんだ。今月11日に35歳になる年齢的にも楽観はできず、代理人を通じて条件提示を行っているという巨人が、いよいよ「筒香獲り」を加速させそうな状況になっているのは確かだ。

「とはいえ、です。日本では2014~19年に6年連続で20発以上をマークしている筒香ですが、20年に海を渡って以降はメジャーとマイナーを行ったり来たりで、22年からはマイナーでの出場も限られた。昨年は68試合出場にとどまり、米独立リーグでのプレーも強いられた。救世主になり得るかは、岩村や福留の例を見ても、微妙でしょう。

大物の加入は若手のチャンスを奪う。せっかく阿部監督がキャンプから競争意識をあおって、ともに2年目の萩尾(23)や浅野(19)、新人の佐々木(24)ら若い芽が出つつある状況です。左の大砲候補の秋広(21)もいる。計17年に及んだ原政権が終わり、ようやくチームが変わるタイミングを迎えた今年、同じようにツギハギ補強をやっていたら、同じことを繰り返すだけじゃないか」(巨人OB)

岩村や福留は日本復帰の年は散々な成績

このOBが例に挙げたように、渡米前にヤクルト10年間で188本塁打を放った岩村は、5年ぶりの日本球界復帰となった楽天1年目は打率.183、0本塁打、9打点と散々。

同じく渡米前の9年間で192発と中日の主砲に君臨していた福留も、6年ぶりに戻ってきた阪神1年目は打率.198、6本塁打、31打点と苦労した。

巨人の吉村編成本部長はこの日、「日本にいる時から彼の能力、実績は素晴らしい。それは全く変わりはない」と筒香に言及したが、ネット上には獲得を望む声がある一方で、<マイナーでも通用しない32歳なんか巨人には必要ない。せっかく佐々木や萩尾みたいな若手が出てきたんだからそっちを大事にしよう>という意見も。全盛期ならいざ知らず、若手の芽を摘んでまで必要な戦力だとは思えないが……。

◇ ◇ ◇

巨人の新たな動向としては、旧エースの菅野に「来季投手コーチ兼任案」が急浮上しているという。なんでも、ハワイ自主トレ組に有望株が続々で――。

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