ローマダービーで“幻のゴール”の鎌田大地、現地メディアの評価は二分…「春の到来とともに調子を上げた」「首都での冒険は花開いていない」

現地時間4月6日に行なわれたセリエA第31節、ラツィオは伝統の「ローマダービー」でCKからマンシーニのヘッド弾を許し、宿敵ローマに0-1の敗北を喫している。

鎌田大地はイゴール・トゥドールの監督就任とともに序列が上がり、この大一番でも2列目の左サイドで先発出場を果たし、途中からは中盤の底に下がってプレー。ボールタッチ46回、パス36本(成功31本)、キーパス1本、ドリブル3回、タックル4回(成功2回)、ファウル2回のスタッツを記録し、64分にはマッテオ・ゲンドゥジのパスをゴール前で受けてゴールネットを揺らす場面もあったが、オフサイドで無効とされた。

この日本人選手に対する現地メディアの評価を見ると、スポーツ紙『Corriere dello Sport』は10点満点の採点で及第点の「6」を与え、「彼もまた、ルイス・アルベルト同様、攻撃的MFとして苦戦している。前線でプレーすることは、彼をチームのボールポゼッションから排除してしまう。しかしボランチの位置に下がると、チームのプレーをより良くし、その個性と対抗力を示す。ラツィオの新しい方向性の中で、おそらく最も効果的で驚くべきニューフェイスだ」と賛辞を贈っている。
逆にローマのデジタル新聞『Roma Today』は真逆の評価を下し、鎌田への採点はチーム単独最低の「4.5」で、「MF選手の非常に悪いパフォーマンス。この試合は彼の将来にとっても重要な一戦だったが、彼はそれを無駄にしてしまった。試合に全く溶け込むことができなかった」と、寸評は終始ネガティブなものとなった。

一方、『LEGGO』紙は「攻撃的MFとしてのプレーについては、少しでも動きを見せようと努めたが、有用なプレーは散発的だった。それ以外は相手にとって予測しやすいものばかりであり、そのため簡単に封じ込められてしまった」と、こちらも厳しい総括となり、採点は「5.5」が付与されている。 スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』も同採点で、『EUROSPORT』は最低タイの「4.5」。こちらの寸評は「将来的にラツィオのリーダーとして期待される可能性がある鎌田だが、現時点ではその適性からは程遠い。センターでボールを要求する代わりにサイドに移ることを好む傾向があるため、フェリペ・アンデルソンとポジションがかぶることが多い。今の鎌田はチームの一員として馴染めていない状況にあり、今後も同様のリスクがあるかもしれない」と綴られた。

スポーツ専門サイト『OA SPORT』『Vi SPORT』の採点も「5.5」で、前者は「前半はまずまずだったが、後半は2度ボールを失い、またカウンターのチャンスを逃した」、後者は「攻撃的MFとしてフランクフルトのファンを虜にした鎌田だが、現時点でイタリアの首都での冒険は花開いていない。彼の好きなポジションでも、それは同様だ。今日も日本人選手は姿を隠し、ボールには多く触れるも、一度も攻撃でリスクを冒すことはなかった」と、それぞれ鎌田の90分間を振り返っている。

続いてサッカー専門サイトでは、『90min』の採点は「6」で、寸評は「サイドでのプレーで、わずかにその資質を見せるに止まった」、「5.5」の『calciomercato』は「前線を広く動き回ってリンク役として役立った。彼にはフィニッシュの力が欠けている。ゴール取り消しは正しい判定だった」と指摘した。
『TUTTO mercato WEB.com』は、「春の到来ととともに鎌田は調子を上げ、CFの背後という彼の好みのポジションを与えられるようになった。個性の面で成長し、さらに試合でも反応力も見せたが、ここではオフサイドの判定が下されている」とポジティブに綴り、採点は「6」を付与している。

最後に、ラツィオのクラブ専門サイト『LA LAZIO SIAMO NOI.IT』は、「5.5」の採点を与え、「攻撃的MFとしてはそのプレーは読みやすく、相手の守備選手には少ししか脅威を与えられなかったが、ポジションを後ろに下げた時には良いプレーを披露。そこでは、もっと積極的になった」と、90分間における彼の変化に注目した。

構成●THE DIGEST編集部

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