モザンビーク沖で小型船沈没、90人超死亡 コレラ流行から避難の途中か

アフリカ南部モザンビークの北岸沖でフェリーが沈没し、90人以上が死亡した。現地当局が7日、発表した。

ナンプラ州当局によると、船には約130人が乗っていたとみられ、うち5人が救助された。乗客らはコレラの流行から逃れようとしていたといい、多くの子どもも死亡したという。

同州幹部は、「小型船は定員オーバーで、乗客を運ぶのには不適当だった。最後には沈没した」と話した。

ソーシャルメディアに投稿された未検証の映像には、浜辺に横たわる数十人の遺体とされるものが映っていた。

ポルトガルの放送局RTPの報道では、小型船はルンガからナンプラ州の沖合のモザンビーク島に向かっていたとみられる。

ナンプラ州は、昨年1月に始まったコレラの流行で最も被害が大きい州の一つ。コレラはアフリカ南部の数カ国で広がっている。

国連児童基金(ユニセフ)によると、今回の流行は過去25年間で最悪となっている。モザンビークでは昨年10月以降、1万3700人の感染が確認され、死者は30人に上っている。

ナンプラ州の隣のカボ・デルガド州では、6年ほど前にイスラム主義者による反乱が発生。以来、少なくとも4000人の命が奪われ、100万人近くが住む家を失った。

モザンビークがポルトガルの植民地だった約400年間、モザンビーク島はポルトガル領東アフリカの首都だった。植民地時代の建築物と交易所としての豊かな歴史から、同島はユネスコの世界遺産に指定されている。

(英語記事 Mozambique ferry disaster kills more than 90 - officials

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