フィリピン中銀、4会合連続で金利据え置き 利下げ開始後ずれも

[マニラ 8日 ロイター] - フィリピン中央銀行は8日、政策金利の翌日物リバースレポ金利を6.50%に据え置いた。据え置きは予想通りで4会合連続。

レモロナ総裁は記者会見で「インフレ見通しに対するリスクは引き続き上方に傾いている」とし、利下げ開始が遅れる可能性を示唆した。

3月のフィリピンの消費者物価指数(CPI)は前年比3.7%上昇と、2カ月連続で加速。コメの価格が過去15年で最大の上昇を記録した。

総裁はインフレ見通しに対する上振れリスクが「悪化」しており、中銀は「以前よりもややタカ派」になっていると発言。「第3・四半期までに(利下げを)実施することはないだろう。将来的には(利下げの)可能性がある」とし、中銀は金融緩和を検討しており、追加引き締めは検討していないと強調した。

総裁は、インフレと経済成長の好ましくない動向を踏まえると、利下げが来年第1・四半期までずれ込む可能性があるとも述べた。

INGのエコノミスト、ニコラス・マパ氏は、中銀が今年前半は金利を据え置き、米連邦準備理事会(FRB)の利下げを待つ可能性が高いと指摘。「FRBは利下げを年後半に先送りする可能性があり、フィリピンのインフレ率も短期的に中銀の目標上限を超える見通しだ。FRBが利下げに踏み切り、総合インフレ率が鈍化するまで中銀は据え置きを継続するだろう」と述べた。

ロイター調査では、エコノミス21人全員が今回の金利据え置きを予想していた。

中銀は3月のCPIを踏まえ、今年のリスク調整後のCPI予測を3.9%から4.0%に上方修正した。来年の予測は3.5%で据え置いた。今年と来年のインフレ目標はともに2.0─4.0%。

フィリピン中銀は2022年5月以来、合わせて450ベーシスポイント(bp)の利上げを行っている。

次回の政策決定会合は5月16日。

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