間宮祥太朗『ACMA:GAME』、開始の4月期・日テレドラマで“再物議”の原作改変が起きている最大の理由

間宮祥太朗主演の日テレドラマ『ACMA:GAME』 ※画像は『ACMA:GAME』の公式X(旧ツイッター)『@ntv_acmagame』より

4月7日、間宮祥太朗(30)主演の連続ドラマ『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系/日曜夜10時30分~)の第1話が放送された。初回は30分拡大SP(夜10時~11時25分)だった。

本作は原作・メーブ氏と作画・恵広史氏による同名漫画(講談社)のドラマ化作品。“悪魔の鍵”を巡り、登場人物が頭脳戦を繰り広げるサバイバル・エンターテインメントだ。

「ドラマ『ACMA:GAME』は4月26日以降に、Amazonプライムビデオで150以上の国と地域での配信も予定している大型プロジェクトです。映画レベルのCGやカンボジアロケなど、日テレが非常に気合いを入れているのは間違いない作品ですが……設定が原作から大幅に変更されており、X(旧ツイッター)は荒れていますね」(テレビ誌ライター)

ドラマでは主人公・織田照朝(おだ・てるあさ)の設定が原作漫画の高校3年生から、世界を放浪していた27歳のフリーターに変更されており、連動して友人や対戦相手も職業・年齢が大きく変更されている。第1話の敵キャラは“イタリアマフィアのマルコ・ベルモンド”から、“広島弁の反社会勢力の丸子光秀(まるこ・みつひで/須賀健太・29)”に変更されていた。

「日テレが制作・放送する漫画原作の実写ドラマという時点で、放送前から多くのファンは『ACMA:GAME』に懸念の声を上げていました。

日テレでは23年10月クールに芦原妃名子さんの漫画『セクシー田中さん』(小学館)を木南晴夏さん(38)主演で実写化し、原作改変を巡って大問題となったばかりですからね」(前同)

『セクシー田中さん』は、放送終了後に“原作改変”を巡るトラブルが発覚し、24年1月に原作者の芦原さんが急逝するという不幸な出来事があった。

SNS、ネットユーザーからは“原作者への扱いがひどい”と日テレと小学館に対する批判の声が殺到。日テレは2月15日、ドラマ制作部門から独立した社内特別調査チームを設置する、と発表。3月25日の会見で石沢顕社長は「GWが明けたあたり」を目安に、特別調査の内容を発表すると明かしている。

また、日テレはこの4月クールに“小学館の漫画原作の作品”の放送を予定していたが、騒動を受けて2月21日に制作を見送ったことも発表していた。なお、当初予定されていたのはムロツヨシ主演(48)の『たーたん』(作:西炯子氏)と報じられており、代わりに制作されたオリジナル作品が4月27日スタートのSixTONES・森本慎太郎(26)主演の『街並み照らすヤツら』である。

そんな“原作もの”ドラマで大きな騒動となった日テレで、4月期の連続ドラマ『ACMA:GAME』での大幅な原作改変があったわけだが、原作サイドの恵氏(作画担当)が初回放送日にXでリアルタイム実況をしたり、原作のメーブ氏も《僕は一話は試写会で見せてもらいましたけど、既にもう一回見たくなっちゃってるので、見ます!》と綴るなど好意的。しかし、視聴者からは、

《アクマゲーム原作見てたけど改変すごい原作者さんが納得されてるならいいけど日テレはセクシー田中さんの件があったのに、まだこんな事続けてるの、本当にがっかり》
《原作と全く違うけど、原作者のメーブ先生が褒めてるから先入観を持たずに「参考にした原作があるオリジナルドラマ」として楽しもうと思う》
《セクシー田中さんの件もあったというのに、また原作マンガいじくり系のドラマ化ですかい…。ま、作者がそれで文句ないなら別に良いんですけど》

といった、日テレのドラマ制作のやり方に疑問を感じる、という声がXに多く寄せられている。

■『ACMA:GAME』の撮影は『セクシー田中さん』放送前の9月末から行なわれていた

あれだけ大きな出来事があったのに、なぜ日テレのドラマ制作は、原作ファンが荒れるであろう大幅な改変をしたのか――制作会社関係者は話す。

「最大の理由は、本作の撮影が、『セクシー田中さん』の改変問題が起こる前からの“早撮り”だったということです。

ドラマ『ACMA:GAME』の佐藤東弥監督が1月11日に《準備に丸2年》要したことをポストしているように、企画自体が“大型プロジェクト”で、かなり早い段階で動いていたようです」

『セクシー田中さん』のクランクインは9月で、初回放送日は10月22日だった。

一方で『ACMA:GAME』は、準主役のSixTONESの田中樹(28)が「クランクインしたのが9月下旬」だと1月28日に『SixTONESオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)で明言している。

前出の制作会社関係者は、

「『セクシー田中さん』の放送より前に撮影まで進んでいたドラマなので、“日テレは何も反省していない”という指摘は少しずれるのかもしれません」

と話し、こう続ける。

「漫画や小説を、全10~11話の連続ドラマに落とし込むにあたり、ある程度の“原作改変”は避けられないことでしょう。『セクシー田中さん』での最大の問題は、原作者が望まなかった改変だと考えられます。今回の『ACMA:GAME』は、原作のメーブ氏と作画の恵氏は改変を認めて、良好な関係も築き、ドラマを楽しんでいることがXから伺える。しっかりと同意して改変しているのであれば、問題はないのでしょう。

ただ、『セクシー田中さん』騒動から間もないのに、大幅な改変がされている『ACMA:GAME』が放送されたことで、あらためて“日テレドラマでは原作改変が普通のことだったのでは”と感じる視聴者が出るのは、避けられないことなんでしょうね……」

『ACMA:GAME』は、人物設定は大幅に変更されているものの、心理戦など、物語の見せ場の再現度は高く評価する声も多い。果たして、最終的にはどんな評価となるのだろうか――。

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