ヤバいもの生み出してそう... 尾道で不穏すぎる「実験場」が発見される

「尾道でみつけたヤバそうな実験場」

そんなつぶやきとともに投稿された写真が、X(ツイッター)上で多くのユーザーを震え上がらせた。

ヒエッ......(画像提供:なるきむ(@narukim_sanpo)さん)

「ココはあなた自身が何かと融合、想像する実験場である」

扉の張り紙に、そんな文言が書かれている。奥には真っ黒な目をしたカンガルーの姿。これが実験の結果だとでも言うのだろうか? 内側に付箋が山ほど貼られているようなのも、不穏だ......。

写真はXユーザーのなるきむ(@narukim_sanpo)さんが2024年2月27日に投稿した1枚。

Jタウンネット記者が話を聞くと、同日午後4時ごろに広島県尾道市のスナック街で見つけた光景だという。

「暗い店内に浮かび上がる笑っているピンクのカンガルーと貼り紙のセリフが妙にマッチして不気味でした笑」(なるきむさん)

怪しげな雰囲気漂う光景に、ユーザーからは3万4000件を超えるいいね(29日夜時点)のほか、こんな声が寄せられている。

「こんなヤバみが出る場所そうない。すごい。」
「怖い怖い怖い 生物兵器でも作ってんの?」
「それで生まれたのがこの動物、ってわけか...」

ここは一体、どんな場所なのか。張り紙の意味とは。記者は3月14日、「実験場」の責任者に話を聞くことができた。

びっしり貼られた付箋、摩訶不思議な写真とイラスト...

実験場の正体は、尾道や福山で地域に密着した飲食店・宿泊施設を経営する「いっとく」(本社:尾道市)が手掛ける「アウトサイダー娑ケ婆(シャケバ)」。

入場無料で待ち合わせ場所に使ったり、自販機の飲料を飲みながら店内のアートを楽しんだりできるスタッフのいない無人スポットだ。

変わった絵や写真、自販機や置物が並ぶ「アウトサイダー娑ケ婆」(画像提供:アウトサイダー娑ケ婆、以下同)

取材に応じたアウトサイダー娑ケ婆の店長によると、中には絵や写真等が飾られている。

美術の教育を受けていない人たちによる「アウトサイダーアート」で、不思議なものから反応に困りそうなものまで、さまざまな作品が飾られているという。

改めて見ても不思議...

そんな不思議な店の前で投げかけられる「ココはあなた自身が何かと融合、想像する実験場である」というメッセージは、同店のオーナーが考案した。通りかかった人が興味を持つきっかけとなることが狙いだ。

「アートをみて『これはちょっとキツい』なのか、『面白い』のか、そんなことを感じてもらえるという意味での実験場ですかね」
「怪しさというかアングラな雰囲気を出すのにはいい感じです」(同店長)

アングラ感のある外観

戸には店側の張り紙だけでなく、訪れた人が書いたメッセージ付きの付箋もビッシリ。

2021年夏にオープンし、怪しげな雰囲気で当初はなかなか受け入れられなかったが、地元のテレビ番組に取り上げられたこともあり、利用者が増えてきているという。

戸の上にも付箋ビッシリ

「そんなに構えて入らなくても大丈夫です。何なの実験場って? って気軽に入って楽しんでもらいたいです」(同店長)

アウトサイダー娑ケ婆は午後5時30分~午前0時まで営業(火曜日・不定休を除く)。観光時のちょっとした休憩にも、いいかもしれない。

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