ジョコビッチ、コーチのイワニセビッチ氏との別れに「次に進む時が来た」。後任候補のジモニッチ氏は「兄のような存在」

ジョコビッチ、ジモニッチ氏の「テニスに対する考え方やプレーを観察する目が好き」

4月7日に開幕した男子ツアー「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(モナコ・モンテカルロ/ATPマスターズ1000)の大会前記者会見に第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク1位)が出席。コーチのゴラン・イワニセビッチ氏との別れについて「次に進む時が来た」と語った。

2019年シーズンの途中からタッグを組み始めたジョコビッチとイワニセビッチ氏は、約5年間で9度のグランドスラムを制覇。世界ランク1位の在位期間は史上初となる400週を超え、史上最年長での世界No.1の記録を保持していたロジャー・フェデラー(スイス)の記録を塗り替えた。

そのジョコビッチも今季は、全豪オープン準決勝で姿を消すと、ATPマスターズ1000インディアンウェルズではランキングで格下に敗戦。タイトルを手にできないままクレーコート・シーズンとなり、イワニセビッチ氏との別れを決断した。

この決断について、「僕らはただ、この関係で互いに最大限のものを出し切ったと感じていて、次に進む時が来たんだ。とてもシンプルなことだよ。僕たちが成し遂げてきたことは消えることはないし、結果と歴史がそれを物語っている。彼は良き友人であり続けるよ」とした。

後任のコーチ候補に挙がっているのが、ネナド・ジモニッチ氏。現役時代にはダブルス、混合ダブルスで通算8度のグランドスラムタイトルを獲得しツアー通算54勝の元ダブルス世界ランク1位だ。また、ジョコビッチとは北京五輪やリオ五輪、デビスカップでパートナーを組んだ経験もある。

「彼とは長い付き合いだ。デビスカップのキャプテンだったし、2020年のATPカップでは一緒に優勝し、いつもいいコミュニケーションが取れていたよ。彼のテニスに対する考え方やプレーを観察する目が好きなんだ。彼はいつも助けてくれ、僕にとって指導者のようであり、兄のような存在だった」とジモニッチについてコメント。「昔の関係がベースとなっているんだ。この先どうなるか」と今大会の終了後に引き続きコーチ契約をするかどうかの判断をするとした。

ジョコビッチは、モンテカルロ大会で2013年と2015年で優勝しているものの、2016年以降は準決勝以上に進めていない。コーチも変わり、心機一転となる今大会で再びリズムをつかむことができるだろうか。初戦となる2回戦ではロマン・サフィウリン(同41位)と予選から勝ち上がったジャウメ・ムナール(スペイン/同72位)の勝者と対戦する。

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