トルコで前代未聞の事態…フェネルバフチェがスーパー杯にU19チーム起用、開始2分で試合放棄

ガラタサライとフェネルバフチェの顔合わせとなったトルコ・スーパーカップで前代未聞の事態が発生した。7日、イギリスメディア『BBC』が驚きを持って報じている。

前年度のスュペル・リグ(国内リーグ)王者とトルコカップ王者が一発勝負で対戦するトルコ・スーパーカップが現地時間7日に開催。ガラタサライとフェネルバフチェという国内屈指の強豪同士による顔合わせとなった一戦は、衝撃の結末を迎える。

U-19チームを出場させていたフェネルバフチェは、開始早々の1分にガラタサライのアルゼンチン代表FWマウロ・イカルディに先制ゴールを献上。すると、チームスタッフの声掛けを受けたフェネルバフチェの選手たちは、試合再開のキックオフを行わず、一斉にピッチを後に。立ち去った選手たちが戻ってくることはなく、試合はこのままガラタサライの勝利扱いで幕を閉じた。会場となったスタジアムでは、その後ガラタサライの紅白戦が行われたという。

『BBC』が報じたところによると、フェネルバフチェがU-19チームを出場させ、開始からわずか2分で試合を棄権した背景には、トルコサッカー連盟(TFF)への抗議があるという。そもそも、トルコ・スーパーカップは昨年12月にサウジアラビアで開催が予定されていたものの、諸々の調整が難航した結果、今月のトルコ国内での実施が決定。フェネルバフチェは現地時間11日にヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)準々決勝ファーストレグのオリンピアコス戦を控えているため、トルコ・スーパーカップの再延期を要請したが、TFFがこれを却下したようだ。また、同クラブはトルコ人審判員から不当な扱いを受けていると主張し、外国人審判員の割り当てを要求していたが、この嘆願もTFFは拒否したという。

フェネルバフチェを巡っては、現地時間3月17日に行われたスュペル・リグ第30節トラブゾンスポル戦(3-2○)において、所属選手がピッチへ乱入した相手サポーターから襲撃を受けるといった事態が発生。トラブゾンスポル側に4試合の無観客試合(当初は6試合)と罰金処分が科されたなか、ピッチ上で応戦したフェネルバフチェの選手2名に1試合の出場停止処分も発表された。これを受け、フェネルバフチェはスュペル・リグからの脱退を示唆するなど、現在TFFとの関係性は冷え込んでいる。

開始2分で試合をボイコットした形となったフェネルバフチェ。『BBC』によると、アリ・コック会長は記者会見にて「トルコサッカーをリセットする時が来た」と発言したとのこと。また、クラブは公式サイトにて「勝利するためではなく、真実を守るために試合に臨んだ」との声明を発表している。

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