両親、伯母、祖父母、3つ子育児は親族総出!「大変さも3倍だけど、可愛さや喜び、楽しみも3倍」【多胎育児体験談】

momoさん(仮名/27歳)は、2023年7月に3つ子を出産したママ。現在0歳8カ月の3卵性の3つ子(長男・二男・三男)と夫の5人家族です。全2回の2回目の本インタビューでは、momoさんに、親族や夫との家事・育児分担、出産準備や日用品の消費量、3つ子育児の楽しさ、多胎育児支援について聞きました。

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義実家や里帰り育児も。親族を巻き込んで3つ子育児

momoさんと3つ子

―― 3人の赤ちゃんをママ・パパだけで育児するのは物理的に難しい場面も多いはず。家族の協力、育児体制はどのように取っていたのでしょうか。

「夫は仕事が忙しくて育休は取っていないのですが、三男が退院してからは一気に大変になったので、夫の実家で義理の両親と同居することになりました。今も義両親と夫と3つ子と犬2匹と私で暮らしています。家事は義母が主に洗濯物をしてくれて、私はお買い物と料理を主に担当していますが、基本的にはできる人がやるというスタンスです。義母とはとても仲良しで、遠慮をしないことと常に感謝の気持ちを伝えるように心がけています。病院に行く時やゆっくり休みたい時、離乳食や手の込んだ料理を作りたい時などに3つ子を見てもらえるので、本当に助かっています。

日中は主に義母と私の2人で育児をしていて、義父と夫は仕事をしていない時間に育児をしています。夜は、私が3つ子と一緒に寝て、何かあったら夫を呼ぶという形で連携を取っています。夜泣きしている子が他の兄弟を起こしてしまったり、私が夜泣き対応をしていて一睡もできなかった時には、夫が夜泣きしている子を連れて朝方ドライブに行ってくれます」

―― 3つ子育児は両家の協力がないと難しいと感じ、新生児期が終わる頃から生後6カ月までは、里帰り育児もしていました。

「私の実家までは新幹線で片道3時間、3人の赤ちゃんを連れて初めて新幹線移動した時はドキドキしましたが、お利口さんでいてくれました。実家での育児は『子どもとの時間を大切にしたい』という私の希望もあって、母に家事や買い物をしてもらい、平日は伯母に朝から夕方まで手伝いに来てもらっていました。基本的には私が育児をして、伯母は私のお願いしたことを手伝うという形で連携を取っていました。家事は手伝う程度だったので、子ども一人ひとりと触れ合う時間が増えました」

3つ子とmomoさんの祖父(三つ子ちゃんたちのひいおじいちゃん)

3つ子と曽祖父

「お昼ごはんは祖母が作って持ってきてくれて、祖父も毎日のように会いに来てくれて可愛がってくれました。全力で遊んでくれるので、2人が帰った後は3人とも爆睡していました。祖父や祖母に人生で1番嬉しかったことを聞いた時に 『ひ孫が生まれたこと』と答えてくれて嬉しかったです。わが家の3つ子はみんなの生きる活力になっています」(momoさん)

消耗品はダンボールで購入、哺乳びんは10本準備

離乳食とミルクの時間

―― 3つ子育児は出産準備品を揃えるのもひと苦労。出産準備や消耗品も3人分揃えなければなりません。

「出産準備はおむつやおしりふき、粉ミルクはダンボールで買い、双子用ベビーカーと1人用ベビーカー、チャイルドシートは3台買いました。粉ミルクは3日で1缶、おむつは3日で1袋なくなるので、ポイントがつく通販で購入しています。哺乳びんは鉄剤のシロップを飲ませるために一気に6本使う時があることや、洗う時間がないので10本用意しています。

3つ子の育児であってよかったものは、電動ハイローチェア、アンパンマンメリー、ポチット(哺乳びん洗浄機)、スワドルです。なんでも3つずつ揃えるので、いろんな色の中から3色も選べるのは嬉しいところですが、かかるお金は3倍です。けれども、インスタで繋がった3つ子ちゃんのママさんや、近くに住む3つ子ちゃんのママさん2人に、セルフ授乳クッションやお洋服、おもちゃのおさがり、お食事エプロンをいただいたので、すごく助かりました」(momoさん)

―― もちろん、洗濯物の量や、離乳食の準備も3人分ですね。

「子どもの服の洗濯は最低でも、パジャマ3着、下着3着、バスタオル3枚、スタイ3枚、大量のガーゼ、日中着せているお洋服の上下3セットはあります。うんち汚れやスタイが汚れた時は洗濯物がもっと増えるので、毎日が"#世界一幸せな洗濯物"状態です。

離乳食は今のところは全部手作りしています。冷凍して出来上がったキューブをジップロックに入れて小分けにしています。しかし3人分のごはんとなると、あっという間にストックがなくなるので、毎日作っている感覚です。今後、体調が悪い時やお出かけする時はベビーフードに頼ろうと思っています。

また、スーパーへゆっくり買い物に行けないので、食材は宅配サービスを利用しています。足りない食材は、義両親に3つ子を見てもらっている間に近所のスーパーに買い出しに行きます。お風呂は私1人で3人入れています。そして気がついたら寝る時間……いや、朝を迎えているのがリアルな3つ子の育児です」(momoさん)

大変さも3倍だけど、可愛さや喜び、楽しみも3倍

最近の3つ子

―― 家事に育児に忙しい日々を送っているmomoさんですが、3つ子育児ならではの楽しさもたくさんあると話してくれました。

「兄弟同士が向き合って喃語(なんご)でお話ししたり、おもちゃを取り合ったりしているのを見ているとほっこりします。赤ちゃんが3人いることでお互いに刺激し合っているのかなと感じています。3人3様でそれぞれおもちゃの遊び方や離乳食の食べ方なども違って、興味深いこともたくさんあり、むしろ私が勉強させてもらっていています。3人のニコニコスマイルを見ると、疲れが一気に吹き飛びます。大変さも3倍ですが、可愛さや喜び、楽しみも3倍なので幸せです。

あとは、3つ子が珍しいこともあり、お散歩をしているとたくさんの方から話しかけていただくことが多くて嬉しいです。色々な方に気にかけていただいたり、手伝っていただいたりする機会が増えたことで、周りの人との繋がりや家族の絆がより強くなり、困った時は周りに頼ろうと思えるようになりました」(momoさん)

―― 3つ子たちの性格や成長もそれぞれ違います。

「長男は感受性が高くて繊細な性格だと思います。人の顔をじっと見て観察しています。人見知りもあり、初対面の人やよく知っている人でも帽子やメガネをかけていると泣いてしまいます。でも、気を許した人には表情豊かで、ずっとニコニコしています。発達も1番早くて、体が柔軟です。ずり這いができるようになり、色んなものに興味津々です。

二男は3つ子の中でも1番手がかかります。コアラのように抱っこしてもらうのが好きな甘えん坊くんです。寝返りを繰り返してコロコロと回転するのが好きです。生後5カ月頃から下の歯が生えてきてびっくりしました。比較的マイペースな性格だと思います。最近は夜泣きがひどく、私は睡眠不足です……。

三男は3つ子の中でも1番手がかからず、誰にでもにっこりとしていて愛想がいいです。お昼寝もすぐに寝てくれたり、日中も飽きずに1人遊びをしてくれて、グズることも少なくて助かっています。長男と二男におもちゃを取られたり、叩かれたりといじわるされるということもありますが、たくましく育っています」(momoさん)

『夫婦だけでは育てられない』たくさんの人の助けを借りて

momoさん家族

―― 明るく前向きに3つ子育児を楽しんでいるmomoさんですが、3つ子を育てているとふとしたところで不便さを感じることもあるのだそう。

「多胎児の妊娠中は、おなかが大きくなるスピードが早いので、駐車場から施設までの移動が大変です。産後は、荷物が多くて子どもの車の乗り降りが大変です。なので、一般的な公共施設やスーパーなどで優先利用できる駐車スペースの利用期間が短いと感じます。例えばですが、多胎育児の場合は、妊娠6カ月から産後3年ぐらいまで優先駐車場が使えると本当に有り難いです。双子用ベビーカーが通れない道やエレベーターも意外に多いことに気づきました。

また、自治体によって差がありますが、私が妊娠中に住んでいた地域の妊婦健診の補助券は母体1人に対して1冊のため、自己負担が多くなってしまいました。高リスク出産のため健診の回数が多いのですが、補助券は使える週数が決まっているので、管理入院してからは使うことができず、余ってしまった券が複数ありました。妊娠何週でも使えるような補助券の仕組みになってくれると嬉しいです。

あとは、出掛けたいのに手が足りなくて買い物にも出掛けれなかったり、3つ子育児をしているとあっという間に1日が終わってしまうので、どこに住んでいる人でも一時預かりや家事の支援サービスが受けやすくなるといいなと思います。

自治体によってはまだまだ多胎児支援は少なく、多胎児を育てる上での金銭面や、育児中の家族の体調面にも課題があるのが現実です。決して“特別扱い”をして欲しいというわけではなく、多胎育児は支援が必要であるということを広く知ってもらえると嬉しいです」(momoさん)

―― 最後にこれから双子・多胎妊娠をする方へのメッセージを聞かせてもらいました。

「多胎妊娠から出産、そして育児は想像を絶するほど大変です。私もそうですが『夫婦だけでは育てられない』と開き直り、両家の両親や兄弟、ご近所さんなどたくさんの方々の助けを借りて育児することが大事だと思います。家にずっといると思い詰めてしまうこともあるかもしれないので、そういう時はお散歩などで赤ちゃんを連れて外に出てみるのもおすすめします!たくさんの方々から激励のお言葉をいただけますし、とにかく人気者になれます(笑)。

多胎児ならではの悩みの解消や気分転換に、多胎児サークルにも入ってみることもいいと思います。私の場合は、SNSで先輩の多胎児ママさんと仲良くさせていただいていて本当に心強いです。何をするにも大変なことばかりですが、それぞれの個性を見守りつつ、兄弟同士が仲良くしている姿を見ていると癒されますし、可愛さや幸せは3倍以上です。私は3つ子を授かって本当に良かったと思っています。3人いるとひとりずつに向き合う時間が少ないので、『寂しい思いをさせているかな?』と考えてしまう時もありますが、3つ子と一緒に強く成長しています。これからも一緒に頑張りましょう!」

お話・写真提供/momo(@mitsugomam0825)さん 取材・文/清川優美、たまひよONLINE編集部

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3つ子育児をポジティブに楽しんでいる様子のmomoさんですが、実際の多胎育児の大変さは想像を絶するものだったと話してくれました。これまでにインタビューした多胎育児中の方々も、momoさんと同じ様に「1人で育てようと思わないで、周りに頼って」と口を揃えて言います。夫婦の協力はもちろん、周囲をしっかりと巻き込んでママが笑顔でいられる環境を整えることが大切です。

「たまひよ 家族を考える」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることをめざしてさまざまな課題を取材し、発信していきます。

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2024年3月の情報で、現在と異なる場合があります。

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