中学生考案の「青森ねぶた」題材で山車制作へ 「龍神と鯰(ナマズ)」の原画をお披露目 運行団体の新たな試み

青森ねぶた祭に参加する「青森市PTA連合会」のねぶたの題材がお披露目されました。中学生が考えた題材をねぶた師が形にするという、新たな試みです。

2月中旬に行われた青森市PTA連合会主催の大型ねぶたコンテスト。ねぶたの制作過程から関わることで、子どもたちに伝統文化への関心を高めてもらおうと、2024年の大型ねぶたの題材を募集しました。

青森市内の小中学生から寄せられた25の作品の中から、当時、甲田中学校1年、髙橋悠真さんの「龍神と大ナマズ」が選ばれました。

3月下旬、ねぶた師・内山龍星さんの制作小屋では、原画の色塗り作業が行われていました。中学生の題材を元に、改めて構図を考え、ねぶたの迫力や鮮やかな色彩を加えたそうです。

【ねぶた師 内山龍星さん】
(Q.新しい試みなので戸惑いは)「ある。その子のねぶたに対する思いというかそういうのは自分で把握して、それに沿った絵にするというのは非常に難しいよね」
「やっぱりこれからは、子どもたちの夢をかなえるというのもねぶた師の役目だと思うので、今回に関しては良かったのかなという感じはします」

題材は、能登半島地震の被災者への思いを込め、地震を起こす大ナマズを退治する場面です。

【ねぶた師 内山龍星さん】
「ナマズも出てくるし、龍神も出てくるというのは、やっぱりそれなりに勉強しているし、今の時代でいけばこういう題材も必要だなという感じだね」
「原作者が納得してくれるような絵を目指して、いろいろ考えてやっていましたけれども」

そして先日行われた青森市PTA連合会の決起会。完成した原画がお披露目されました。

【お披露目】
「おお!」(拍手)

内山さんは、応募作品を振り返りながら、子どもらしさや迫力を出せるように描いたと説明したうえで、祭りへの熱い思いを伝えました。

【ねぶた師 内山龍星さん】
「子どもたちが参加して、初めて祭りが成立すると思うんですよね。我々小さい頃もやはり何が思い出かといえば、ねぶたに参加して、それが糧となり力となり、そして今に至るという感じですので」

【青森市PTA連合会 棟方丈博会長】
「子どもたちが能登半島の復興を願って題材を考えたんですけれども、それが形になって非常にうれしく思います」
「今年は、ただ成功するだけではなくて、後世につなげられるような形でいければなと思っております」

会場には、題材を考えた髙橋さんの姿も。

【甲田中学校2年 髙橋悠真さん】
「自分が描いた下絵が、このようにすごくなっていてうれしいです」
(Q.ねぶたの制作)「見たことはないんですけど、どのように出来ていくのかを見てみたいです」

中学生の思いを背負い、内山さんはこれから、本格的な制作を始めます。

【ねぶた師 内山龍星さん】
「やはり子どもたちと一緒になって、最後は楽しい祭り、それを目指して我々頑張っているので、手を抜かずに最後まで一生懸命頑張りたいと思います」

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