“ハンドルロックの誤作動”“整備不良”に要注意…春先に増える「自転車の製品事故」気を付けるポイントは?

杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの新ラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。

4月7日(日)の放送テーマは「点検を習慣に! 自転車の製品事故を防ごう」。経済産業省・産業保安グループ 製品安全課長の佐藤猛行(さとう・たけゆき)さんをゲストにお迎えして、春先に増える自転車の製品事故や、自転車の点検で意識するポイントを伺いました。

(左から)杉浦太陽、佐藤猛行さん、村上佳菜子

◆春から増加!?「自転車の製品事故」

私たちにとって身近な乗り物である自転車ですが、交通事故以外にも注意が必要なのは、自転車本体の不具合などによる製品不良や整備不良、そして、誤った方法で乗り続けることで危害が生じる“自転車の製品事故”です。

佐藤さんによると、「製品事故の疑いがある自転車事故」の発生件数は3月から徐々に増える傾向があります。その背景として、「(気温が)暖かくなって自転車に乗る人が増える、というのもありますが、新生活がはじまるとともに、新たに通学や通勤、子どもの送迎などで自転車を使いはじめる人が増えることも影響していると考えられています」と言います。

ちなみに、2015年から2020年まで6年間の自転車の製品事故647件うち、6割ほどが重傷事故です。この結果に、村上は「私は(スケートで)転び慣れていますけど、普通は転ぶことに慣れていないでしょうし、自転車はスピードがあるから転ぶと大ケガになるイメージがありますね」とコメントします。

◆自転車の製品事故例をチェック

一口に“自転車の製品事故”と言っても、さまざまケースがあります。その1つが「整備不良や誤った使い方による事故」です。例えば、チェーンのたるみなどに気付かないまま運転してしまって、走行中にチェーンが外れて転倒するといったケースなどで、運転者が死亡してしまう事例も発生しています。

続いては「ハンドルロックの事故」について。最近では、後輪の鍵などをかけると、ハンドルも同時にロックされる機能がついているものがあり、2ヵ所同時にロックがかかるため盗難を防ぐ効果が高まりますが、ハンドルロックの機能が誤作動を起こし、走行中にハンドルが動かなくなってしまう、といった不具合による事故も多発しており、2019年から該当する機種のリコールも発生しています。

「このような機能を搭載した自転車・電動アシスト自転車のリコール情報は、経済産業省のホームページでも紹介させていただいております。このような自転車を使用している方は、まずリコール情報をご確認いただければと思います」と佐藤さん。

ちなみに、電動アシスト自転車用バッテリーのリコールも発生しているため、電動アシスト自転車を使用されている方は、リコール情報をご確認ください。このように、何かしらの不具合による自転車のリコールは毎年10数件ほど発生しており、佐藤さんは「リコール情報は定期的に確認することを習慣にしていただきたいです」と注意を促します。

◆自転車の点検はどのタイミングがいい?

自転車の点検を習慣化すれば、安心して自転車を利用できます。またその際は“専門家による点検”“自分でする点検”の2点が大切になります。

佐藤さんは、新しい自転車を購入して1ヵ月ほど経過したタイミングで、専門家による点検を受けることを推奨します。というのも、新車は“買ったばかりだから安全”と思いがちですが、新車であっても「ブレーキワイヤーの伸び」「ねじの緩み」などが発生する場合があります。

「ブレーキワイヤーの伸びなどが見られれば、再度調整が必要になりますので、購入後1ヵ月ほどが経ちましたら、購入したお店で自転車技士や自転車安全整備士などに初期点検を受けてください」とアドバイス。

また、電柱やフェンスなどに衝突するなど、外から大きな衝撃を受けた場合も「フレームにゆがみが出てしまうなど、何らかの不具合が生じている可能性がありますので、(そのまま乗らずに)専門家の目でしっかり確認してもらったほうが安全です」と話します。

このアドバイスに、杉浦も「(不具合に)気付かずにそのまま乗り続けたことで事故が起こり、その事故で自分だけではなく他の人を傷つけてしまったら、後悔してもしきれないですよね。うちは子どもを乗せて自転車を運転することもあるので、親の責任で子どもがケガをする可能性もありますから」と気を引き締めます。

そして、自転車に特に異常がない場合でも、1年に1回は専門家による定期点検を受けるようにしましょう。専門家による点検や調整、メンテナンスを受けることで、安全で快適に自転車を使用し続けることができます。

続いては“自分でする点検”について。取扱説明書に点検項目が記載されていますので、自転車に乗る前に点検することを習慣化しましょう。

<点検項目の例>
・どろよけに曲がりや外れなどはないか
・ペダルにがたつきや緩みはないか
・チェーンにねじれ、余分なたるみがないか
・前後のブレーキは適切に作動しているか
・タイヤの空気が不足していないか
・ライト、反射板、テールライトは正しい角度で適切に点灯するか

佐藤さんは、これらはあくまでも一例と前置きし、「自転車にはさまざまな種類(のパーツ)があり、それぞれに点検するポイントがあります。取扱説明書をしっかり読んで確認してください。そして、異常が見つかったら、すぐに販売店などで点検・修理を受けてください」と呼びかけます。

走行直前は、自転車本体の点検はもちろん、身の回りにも注意が必要です。近くにいる子どもが自転車のチェーンに指を入れてしまったり、幼児用座席に乗せたまま転倒してしまったりする事故も起きています。小さな子どもが自転車の近くにいるときには、保護者が目を離さないように注意することが大切です。そして、幼児用座席に子どもを乗せている場合は、その場を決して離れないようにしてください。

最後に佐藤さんは「春は自転車の製品事故が増える時期です。新生活がスタートしたこの機会に、自転車の正しい使い方を確認して、安心安全な自転車生活を楽しみましょう」と話していました。

番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「自転車の製品事故」について復習。村上が注目したのは“買って1ヵ月でまず点検する”といったポイントで、「新品でもちょっと使った段階で意外と不具合があったりするんだなと改めて知りました」と振り返ります。一方、杉浦は“乗る前に 自分で点検 忘れずに”をポイントに挙げ、「つい自転車にすぐ乗っちゃうけど、乗る前に10秒でもいいから点検するのは大事だね」と話していました。

なお、自転車の製品事故についてもっと詳しく知りたい方は、経済産業省の独立行政法人 製品評価技術基盤機構「NITE(ナイト)」のWebサイトをご覧ください。

(左から)杉浦太陽、村上佳菜子

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4月7日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年4月15日(月)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://audee.jp/program/show/300007925

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