「爾(なんじ)臣民 兄弟に友に…」ことしも新規採用の職員研修に「教育勅語」引用 新たに現憲法の前文も 広島市

広島市職員の新人研修が行われ、松井一実 市長は自身の講話の時間にことしも「教育勅語」を引用しました。

広島市に今年度から採用される職員など323人を対象とした新人研修が、アステールプラザで開催されました。

広島市職員の新人研修をめぐっては、松井市長が就任以来、続けてきた「教育勅語」の引用に対し、被爆者団体や弁護士会などから中止を求める声が上がっています。

市長は、教育勅語が否定されたものであるということは押さえた上で、今年度以降も引用することを明言していました。

広島市 松井一実 市長(3月27日・定例会見)
「その一部だけを取り出して『いい』『悪いからだめ』というのではなく、自分の言葉で言うと温故知新という言葉になるが、そういった気持ちで取り扱ってほしいということを伝えたい」

広島市によりますと、8日の講話で松井市長は、「先輩が作り上げたもので、良いものはしっかりと受け止め、また後輩につなぐことが重要」として、引き続き「教育勅語」の一部を引用しました。ただ新たに日本国憲法・前文の一部も引用したということです。

研修に出席した新規採用職員
「先輩方の学びをしっかりと感じながら学ぶのは大事だと思う」
「話題になっているような悪い感じではなかった」
「良いにしろ悪いにしろ、そういうことがあったという事実は変わらないので、知っておく必要はある」

広島市の職員は今後、5つの班に分かれて、グループ討議や防災研修などをするということです。

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