49歳巡査長が捜査資料漏えい スマホアプリで第三者に送信、鹿児島県警が容疑で逮捕 一部ウェブメディア掲載との関連性は「捜査中」

〈関連〉鹿児島県警巡査長が捜査情報漏えい疑いで逮捕されたことを受け、記者説明が行われた県警本部=8日、鹿児島市鴨池新町

 鹿児島県警は8日、捜査情報など職務上知り得た秘密を漏らしたとして、地方公務員法違反の疑いで、曽於署の巡査長の男(49)=鹿屋市札元1丁目=を逮捕した。男は「県民と警察組織に迷惑をかけて申し訳ない」と容疑を認めている。

 逮捕容疑は2023年6月12日、県内またはその周辺で、自身のスマートフォンのメッセージアプリを使って、個人1人分の犯罪経歴情報を第三者に送信。24年3月11日には告訴、告発事件の処理経過を管理する文書「告訴・告発事件処理簿一覧表」を印刷した紙数十枚を同じ第三者に郵送し、職務上知り得た秘密を漏らした疑い。

 一部ウェブメディアが23年10月と24年3月に、マスキング加工した一覧表をインターネット上に掲載した。監察課によると、これを受けて始めた捜査で発覚し、ウェブメディアの内容と今回の件が一致するか、関連を調べる。漏えい先の第三者は「同一」と説明するにとどめ、男との関係性は捜査中とした。

 男は22年3月から県警本部公安課に勤務し、一連の情報は業務上の必要性に応じ照会できる立場だった。勤務態度に問題はなかった。現時点では第三者との間での金銭授受は確認されていない。24年3月25日に曽於署に異動した。

 牛垣誠首席監察官は「部内で適切に管理すべき情報が流出し、関係者や県民に迷惑と心配をかけた。職員逮捕は誠に遺憾で、改めて深くおわび申し上げる」と謝罪した。

 捜査資料とみられる文書が流出した問題を巡っては県警が3月18日、「事件100件超、法人や個人など約300人の個人情報が流出した可能性が高い」と発表。刑事、警務部を中心とするチーム(西畑知明警務部長)で捜査、調査を進めている。

県警巡査長が捜査情報漏えい疑いで逮捕されたことについて説明する牛垣誠首席監察官=8日午後6時半、鹿児島県警本部

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