『光る君へ』で藤原道兼を演じる玉置玲央
4月7日、NHK大河ドラマ『光る君へ』の第14回「星落ちてなお」が放送され、序盤での最大の“ヒール”ともいうべき存在だった、藤原兼家（段田安則）の最期が描かれた。
第14回では、息子である道隆・道兼・道長（柄本佑）の3兄弟を東三条殿（邸宅）に呼んだ兼家が「出家いたす。望みどおり関白となったが、明日、それを辞し、髪を下ろす」と宣言。自身の後継に、長男の道隆（井浦新）を指名したことで、次男の道兼（玉置玲央）は「父上の今日があるのは、私の働きがあってこそ」と激怒してしまう。さらに兼家の「黙れ、お前のような人殺しに一族の長が務まるか！」という一喝で、道兼はさらに激昴し「この老いぼれが……、とっとと死ね！」と、父に吐き捨てた。
以降、兼家は内裏での務めも放棄する荒れっぷり。酒浸りで、愛想を尽かした妻と娘は屋敷を去ってしまう……。
放送後、道兼を演じた玉置は、自身のXを更新。《ぽつーん》という言葉とともに、寂しそうにひとり、座り込む道兼の後ろ姿を投稿した。一族内で孤立を深める形になった道兼の、心の様子が見て取れるようだ。
しかしながらSNSには、強い怒りを表現した玉置の演技に、絶賛の声があがっている。
《この叫び 玉置玲央さんの演技がすごい…素晴らしい…》
《本当にいい演技をするよね… これ以上ないくらいに「とっとと死ね！」って顔してる》
《絵かと見まごうほどの歪み方 玉置玲央～～～ッ》
その12時間後、一夜明けて、玉置は8日朝のNHK総合のトーク番組『あさイチ』に、同じく『光る君へ』に出演するファーストサマーウイカとともに出演。前日、自身のXで《生放送、初めてです》と語っており、緊張の面持ちでスタジオに登場した。
この日の玉置は、劇中の平安時代の装いから打って変わって、パーマを当てたロン毛姿。キャスターの博多大吉が「何かあったんですか？ 髪型が違いすぎて……」と驚くと「ふだんはこんな感じです」と答えたが、さらに大吉は「最初、楽屋にあいさつに来ていただいたのですが、誰かさっぱりわからなくて……。誰だ、このロン毛は？」と、ツッコミを入れた。
SNSでも、役柄とのギャップに驚く声が殺到している。
《ミチカネさん、何かあったんですよ、昨日…大変なことが…》
《いつもイラついている道兼と違って穏やかな方で一安心。父親に「人殺し」と叱責され「この老いぼれが…、とっとと死ね！」と吐き捨てた鬼気迫る演技、昨夜の回のクライマックスだった》
出演後、玉置は自身のXを更新し《番組の内容的にもそして俳優としても、学びのたくさんある貴重な機会でした》と、ファーストサマーウイカとのツーショット写真を投稿した。
玉置玲央は、演じる道兼について、インタビューで「視聴者さんのみなさんに嫌われる役」と答え、脚本の大石静氏に「好青年の役を」と頼んでおいたにもかかわらず、「ごめんなさい、ひどい役で」と謝られたエピソードを明かしている。また、父・家兼との関係について「父は“呪い”みたいな存在」「憎しみの対象でありながら、活動の原動力」と、その複雑さを分析している。
父親のくびきから放たれた道兼が今後、どう動くのか。玉置の素顔以上に驚くことになるかもしれない。
