「ケインがバイエルンに移籍した今…」英国人記者が感じたスパーズのエースFWソン・フンミンにかかる期待と責任【現地発】

4月7日、私はロンドンのトッテナム・ホットスパー・スタジアムで開催されたプレミアリーグ第32節・トッテナム対ノッティンガム・フォレストを取材した。

スタジアムに向かう地下鉄を降りた途端、周囲はスパーズの韓国代表FWソン・フンミンのユニホームを着た人々で溢れていた。

またスタジアムには4つの大きなスクリーンがあるが、ウォーミングアップ中、スクリーンに映し出されるのは、ほぼソン・フンミンだけ。ストレッチしたり、パスを出したり、ほとんど何もしていない時でも、彼だけがアップになる。

先日のルートン戦(2-1)のゴールでトッテナム通算160得点を達成し、クラブの歴代得点ランキングで単独5位に。2021-22シーズンには、プレミアリーグの得点王に輝いているのだから、このような扱いを受けるのは当然だろう。今シーズンからはチームの主将も任されている。

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しかし、かつてのエース、ハリー・ケインがバイエルンに移籍した今、ソン・フンミンには毎試合、結果を出さなければならないという大きなプレッシャーがかかっている。

そしてファンは彼に対して、常に何かをしてほしいという期待を持っているのだ。ボールに触れるたびに、静まり返っていた観客席からは大歓声が上がる。それは私がかつて、リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを取材した時の光景を思い出す。

今回のノッティンガム・フォレスト戦でトッテナムは3-1で快勝した。しかし、ワントップでフル出場したソン・フンミンは無得点。終了間際には、左足の強烈なシュートを放つも、相手GKの好守に阻まれた。クラブでの161ゴール目とはならなかったが、このチームは彼の調子次第であり、大きな役割を担っているのは間違いない。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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