2019年以降、OP戦最上位がリーグ制覇したのは昨年のオリだけ
3月29日に2024年のプロ野球が開幕した。シーズンに先立って行われるオープン戦は、選手たちにとって重要な実戦の場。好成績を残した球団への期待は少なからず高まるが、開幕ダッシュにつながった例は実際にどれだけ存在するのだろうか。今回は、直近5年間のオープン戦でパ・リーグ1位の成績を残したチームのシーズン成績を確認する。
2019年のソフトバンクの勝率は.643。2020年以降は4年連続で勝率.690以上のチームが存在している。2020年の西武と2021年のソフトバンクは勝率.750だった。
しかし、2020年は新型コロナウイルスの影響で、開幕が6月に延期。オープン戦の勢いのまま開幕に挑むことができなかったといえる。2022年の楽天は16試合で11勝2敗、勝率.846。リーグ3位に入った前年を経て、シーズン開幕後の躍進が大いに期待できる状況だった。昨年はオリックスで勝率.692だった。
5つのチームのうち、2020年の西武を除く4チームが、開幕から1か月強の間に3つ以上の勝ち越しを作っていた。唯一の例外である2020年の西武の場合は、オープン戦の終了からシーズン開幕までに長い期間が空いていた。
その中でも2022年の楽天は23試合を消化した時点でわずか6敗。4月26日から11連勝を飾ったことにより、5月10日の時点で24勝6敗1分と数字を伸ばし、勝率は実に.800に到達した。2019年のソフトバンクも15勝10敗2分で勝率.600と、かなりの好成績を収めていた。
今季はソフトバンクが10勝5敗2分けでトップ…シーズンはどうなる
2021年にもソフトバンクは15勝12敗3分とスタートダッシュに成功している。2023年のオリックスは、開幕前にワールド・ベースボール・クラシック（WBC）が開催されたこともあり、山本由伸投手と宮城大弥投手のシーズン初登板が4月にずれ込むことに。それでも、4月末の時点で14勝10敗。チームとしての地力を発揮していた。
次に5チームの最終的なシーズン成績を確認する。オープン戦でリーグ1位のチームが、開幕直後に好スタートを切るケースは多かったが、最終的にリーグ優勝を飾ったのは、2023年のオリックスだけ。「オープン戦の成績はシーズンに影響しない」という評価は、こうした結果に基づいたものでもありそうだ。
しかし、2019年のソフトバンクと2020年の西武はいずれもAクラス。残る2チームもシーズン4位。どのチームも序盤戦で少なからず貯金を作れていたことによって、極端に悪い順位に沈むケースが存在しなかったという見方もできそうだ。
2023年のオリックスは中盤戦以降も安定した成績を残して上位を維持し、大崩れすることなく順調に勝ち星を積み重ねた。最終的に2位に15.5ゲームの大差をつけてリーグ3連覇を果たしている。
リーグ優勝を果たしたチームは1つだけだが、オープン戦でパ・リーグ1位の成績を残したチームは、開幕直後も好調を持続させる傾向にあった。今年はソフトバンクが10勝5敗2分けでトップだった。過去の例と同様に開幕ダッシュを成功させることができるか。各チームが見せるシーズン序盤の戦いぶりに、あらためて注目してみてはいかがだろうか。（「パ・リーグ インサイト」望月遼太）
（記事提供：パ・リーグ インサイト）
