大量閉店から5年、急拡大【バーガーキング】で食べてわかったマクドナルドに圧勝する魅力

バーガーキング外観(写真:サイゾーウーマン)

ハンバーガーチェーンの「バーガーキング」。2019年に当時国内で展開していた99店舗のうち、22店舗を閉店するという苦境に立たされていましたが、その後急速に店舗の拡大に成功。2024年2月には店舗数を215まで伸ばすなど、華麗なV字回復を遂げています。好調な背景を知るべく、店舗を訪れ実食してきました。

目次

【バーガーキング】店舗数215に急速拡大中!
【バーガーキング】890円「ワッパーセット」実食
【バーガーキング】コスパは【マクドナルド】より良い?
【バーガーキング】ガッツリとした味わいに惹かれる

【バーガーキング】店舗数215に急速拡大中!

店舗の壁にはキャッチコピーである「TASTE IS KING」の文字が(写真:サイゾーウーマン)

ハンバーガーチェーンの「バーガーキング」。90年代半ばに日本上陸を果たしたものの、運営会社が西武商事からJTに代わるなどしたのち、2001年に日本から撤退。07年に再上陸を果たすも、運営会社が2度にわたり代わるなど、流浪のバーガーチェーンというイメージが強い方もいるのではないでしょうか?

そんなバーガーキングといえば、19年に当時国内で展開していた99店舗のうち、22店舗も大量閉店するという苦境に立たされていましたが、その後急速に店舗の拡大に成功。24年2月には店舗数を215まで伸ばすなど、華麗なV字回復を遂げています。

同チェーンを運営する株式会社ビーケージャパンホールディングスは23年10月、国内200店舗を達成した際に「このペースで新規出店を進めると、今世紀中に3,000店を超え、国内の飲食チェーンにおいて、店舗数が日本一となります」と声明を出すなど、上り調子であることをアピール。そんな壮大すぎるビジョンを打ち出すほどに好調な同チェーンの実力を確かめるべく、店舗を訪れ実食してきました。

【バーガーキング】890円「ワッパーセット」実食

店舗入り口横にあったメニュー表(写真:サイゾーウーマン)

今回、筆者が実食したのは「バーガーキング」のフラッグシップメニューである「ワッパー」(590円、税込み/以下同)。

“並外れて大きなもの”という意味をもつ英単語のWHOPPERをそのまま商品名にしたこのハンバーガーは、同チェーン最初期にあたる1957年から続くメニューです。一般的なハンバーガーの1.4倍ほどのサイズであるというこの一品に、フレンチフライのMサイズ、ドリンクMサイズがついた「ワッパーセット」(890円)をオーダーしました。

ワッパーセット890円の全体図(写真:サイゾーウーマン)

以下、写真でその魅力をお伝えできればと思います。

ワッパー。名前の通り、かなりサイズは大きめです(写真:サイゾーウーマン)
包み紙を開けたワッパーの全体図。ごまが沢山ついたバンズが食欲をそそります(写真:サイゾーウーマン)
具はバンズの下にマヨネーズとキャベツ、トマトとオニオンがあり……(写真:サイゾーウーマン)
さらにその下にケチャップとピクルス(写真:サイゾーウーマン)
その下にパティがありました(写真:サイゾーウーマン)

「バーガーキング」のウリの一つは、“Made with flames.(炎で作り上げる)”というキャッチコピーがついた、直火焼100%のビーフパティです。

独自のブロイラーを用いて直火で調理されるパティは、公式サイトいわく“余分な脂は除去され必要な肉汁は溜め込み、ジューシーでスモーキーな”ものに仕上がるとのこと。

この宣伝文句に興味を持った筆者は、「ワッパー」の写真を撮る際、ためしにパティ単体で少し食べてみたのですが、スモーキーな風味や肉のうま味は強く感じた ものの、ジューシーさに関しては少し不足しているように思いました。

しかし、その後パンズやほかの野菜と一緒に食べると、野菜の水分と合わさってジューシーさが補われるのに加え、ほかの具材の風味が混ざることでよりパティの香ばしさや肉々しさが強調されるというシナジーも発生し、かなりのレベルの味わいに。単品でのおいしさよりも、全体のバランスを考えて調整されたパティなのだなと実感した次第です。

また、“並外れて大きなもの”というとさすがに言い過ぎな気もしますが、サイズ感も十分にあり、ハンバーガーを食べた! という満足感を得ることができました。

100%ビーフと直火をアピール(写真:サイゾーウーマン)

店内には、ビーフ100%の直火焼であることをアピールするパネルもありました。

フレンチフライとドリンクの特徴

続いて実食したのはフレンチフライ。特徴を写真でお届けします。

フレンチフライのMサイズ(写真:サイゾーウーマン)

フレンチフライはマクドナルドに比べると若干太め。

ばらつきあり(写真:サイゾーウーマン)

ポテトの長さにはかなりばらつきがありました。

マクドナルドに比べると若干太めに仕上がった一品は、外側はカリッとしながらも、中はホクホクとした食感も同時に味わえるという絶妙な太さになっており、独特の魅力があります。

正直、ポテトにあまり期待をせずに食べたところがあったため、良い意味で裏切られてインパクトが強く残りました。取材後、ネットで評判を調べてみると、「バーガーキングのポテトが私の中ではナンバーワン」「ポテトがうますぎる、ポテトキングじゃん」などの声が見られ、一部に熱烈に愛されているようです。

これもまた、バーガーキングの人気を支える一品と言えるのかもしれません。

ドリンクはコカ・コーラゼロをチョイス(写真:サイゾーウーマン)

ドリンクについては、チェーン間であまり違いがないので味の評価はしませんが、コカ・コーラゼロのようなノンカロリー飲料を揃えていることは、個人的には好感の持てるポイントでした。

【バーガーキング】コスパは【マクドナルド】より良い?

マクドナルド外観(C)GettyImages

「ワッパーセット」の味についてのレビューは以上となりますが、続いて行いたいのがコストパフォーマンス面での考察です。

近年、ハンバーガーチェーンの盟主ともいえる「マクドナルド」が相次ぐ値上げを行ったことで、「モスバーガー」や「バーガーキング」など、より高価格帯とされていたチェーンと同水準になった、という声が多く聞かれています。それが本当なのかを確かめるため、今回実食した「ワッパー」と、同商品に価格が近く、かつ構成も似ている「マクドナルド」のメニューである「サムライマック 炙り醤油風ベーコントマト肉厚ビーフ」(最低570円、店舗によって変動)とを、データをもとに比較してみることにしました。ちなみに、「炙り醤油風ベーコントマト肉厚ビーフ」は、23年1月に50円、24年1月に30円の値上げが行われ、一昨年から比較すると80円価格が上昇しています。

両チェーンが公表している栄養成分表を見ると、重量は「ワッパー」が277gあるのに対し、「炙り醤油風ベーコントマト肉厚ビーフ」は218g。カロリーもそれぞれ651kcal、470kcalとそこそこの差があります。たんぱく質量はそれぞれ27.3g、27.5gとほぼ同じですが、脂質量に関してはそれぞれ39.2g、23.3gとワッパーの圧勝。

炭水化物量についても、それぞれ48.1g、38.6gとワッパーの方が多い結果となりました。もちろん、同チェーンにはさまざまなメニューがありますし、この2つを比較するだけで全ての傾向が読み取れるわけではないのは確かです。

とはいえ、20円の差でこれだけ重さやカロリーが違うとなると、「バーガーキング」と「マクドナルド」を比較した際、前者に割高感を感じるような人はそこまで多くないのかな? とも感じました。一般的にはあまり歓迎されない脂質や炭水化物の多さについても、ガッツリ系のバーガーを好む人にとっては、むしろセールスポイントであり、それによってコストパフォーマンスが良いと感じられることもあるでしょう。

【バーガーキング】ガッツリとした味わいに惹かれる

少なくとも、以前のような価格やコストパフォーマンスの差を両チェーンの間で明確に感じにくくなったことは確かです。その結果、「バーガーキング」の直火焼パティなどのセールスポイントに魅力を見出す人が増えたのが、現在における同チェーンの人気を支えているという面もあるのではないでしょうか。

筆者はもちろん「マクドナルド」のメニューも愛していますが、今回実食した「バーガーキング」のガッツリとした味わいに惹かれる部分があった、というのが正直なところ。このおいしさを手軽に味わえるよう、今後も「バーガーキング」が好調を維持し、宣言の通りガンガン店舗数を増やしてくれるのを応援しています!

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