地震から3か月、液状化による被害が大きかった富山県高岡市伏木地区では、地元を離れてる人たちが相次いでいます。地域のコミュニティは存続できるのか、住民たちは不安な日々を送っています。
元日の能登半島地震で液状化による被害が深刻だった高岡市伏木地区。地震から3か月が経ち被害を受けた住宅の修理や下水道の復旧工事が始まっていますが今も手つかずの場所が多くみられました。
住民「変わらんですよ全然。なおさらひどくなってる感じです」「電柱もこんな感じやし道路なんかも直してないという感じかね」
高岡市では4月4日から、被害の程度が「半壊」以上の建物を対象に自治体が所有者に代わって家屋などの解体、撤去を行う公費解体の申請受け付けがようやく始まりましたが…
記者「伏木地区では公費解体を待たず自費で住宅を解体する人たちが多く更地が目立ちます」
地区では自費での解体を決めた住民のほか、家が傾き住むことができなくなった住民が次々と地区外に転居しているのです。
住民「壊したはいいけども結局立て直すにしても難しい感じですからね。もしかしたら年配の方は出てかれたらこっちには返ってこないんじゃないんかな」
住民「1軒、2軒、3軒(なくなった)」家は古いがですけどもどうにか残っているから。さびしいです」
住民の姿も少なくなり、先行き見えにくい…
高岡市伏木地区にある老舗和菓子店・こし村百味堂。液状化により営業が困難となりましたが、96年守り継がれた味を絶やさないようにと、地震の4日後から店の向かい側にある建物で営業を続けています。
3か月が経ったこの日も、多くの客が訪れていました。
客「これ3個とこれ3個で」
店主「3つずつで。ありがとうございます。ご用意します。またいろんな種類作れるようにがんばりますので」
Qこのお菓子の味はいかがですか?
客「文句なしですよ。昔からの老舗で独特の味が出てるんで。私からしたら本当にありがたいです。本当にありがたいです」
地震直後は、断水の影響で作れる商品はわずかでしたが設備の復旧が進み今では季節のお菓子など7割の商品を提供できるようになりました。
一方で、店の前の道路は当時のまま。常連だった地元住民の姿も日に日に少なくなり、今後の営業についても先が見えない状況が続いています。
三代目・越村淳平さん「伏木に住まれているお客さんがちょっとずつこう少なくなってきてるのかなという心配もございます」「伏木ではとは考えているんですけどももとの場所で出来るかっていうのはまだ見通しが立っていない状況ですね」
伏木地区に限らず地震によって地元を離れる住民が増える中、地域の存続を後押しする行政の対策が早急に求められています。