筒香嘉智「結局は巨人」でファンがっかりも…横浜担当記者は「巨人は危うい賭け」と警鐘鳴らす

ジャイアンツのユニホームを着る筒香。巨人移籍は想定内だった?(写真:AP/アフロ)

サンフランシスコ・ジャイアンツFAとなった筒香嘉智を巨人が獲得することが、4月7日、確実となった。巨人は水面下で交渉をおこなっており、「3年6億円」程度の条件を提示したようだ。

これを受け、古巣・横浜DeNAのファンからは、「なぜ横浜に帰ってこない」「快くメジャーに送り出したのに、筋が通っていない」「もう応援しない」といった声が寄せられている。

確かに “横浜の顔” だった筒香が古巣に帰ってくれば丸く収まる感じはする。しかし、横浜担当記者は別の見方をする。

「現在、横浜の外野は左から主将の佐野恵太、桑原将志、そして1年めながらブレイク中の度会隆輝と固定されています。内野に目を移しても、筒香がポジションにつける一塁にはオースティン、三塁には宮崎敏郎がいて、要するに筒香がつくポジションがないんです。確かに彼は功労者ですが、もし加入しても代打要員になる可能性が高いんです」(横浜担当記者)

一方、巨人はどうなのか。

「巨人から見れば、願ったり叶ったりの補強といわれています。今季の目玉として獲得し、ライトを任せようと考えていたメジャー通算178本塁打のオドーアは、オープン戦の極度の不振から2軍での調整を言い渡されましたが、それを拒否して一方的に帰国し、退団。

開幕戦で活躍したベテランの梶谷隆幸は、直後に膝の違和感を訴えてこれまた2軍落ちです。要するに、ライトを任せたかった選手が2人もいなくなりました。そこに筒香の獲得となれば、一気に穴を埋められるとの計算から獲得に動いたわけです」(巨人担当記者)

両チームの思惑が一致して巨人が獲得に動いたのだが、前出の横浜担当記者は「巨人は危うい賭け」と警鐘を鳴らす。

「筒香は、2020年からポスティングシステムを利用してレイズに移籍しましたが、このとき29歳。その後、独立リーグを含め、5年間で11球団を渡り歩きましたが、その間、メジャーでは182試合にしか出ていません。選手としていちばんいい時期にそれしかプレーできなかった。

その大きな理由として、速い球に対応できなかったことがあげられます。筒香不在の5年間で、日本の投手のレベルは上がり、とくに球速は彼がいたころに比べてかなりアップしています。

実戦不足の彼が、その球速に対応できるのか。横浜の首脳陣は、守るところがないというよりも、そこをいちばん気にしていました。不安要素はありますね」

はたして、得をするのはどちらの球団か。

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