2年間優勝なし、4戦連続予選落ち…渋野日向子、低迷→スポンサー離れが招く「米ツアー撤退」の危機

3月22日、「2024 ファーヒルズ朴セリ選手権」初日の渋野日向子(写真・AP/アフロ)

「こんなはずではなかったのに!」

渋野日向子の心境を表すとすれば、こんなセリフがぴったりくるのではないか。

2年間未勝利の渋野にとって、米ツアーのシード権奪還のために始まった2024年シーズン。2019年の全英女子を制した「強く縦に振り抜く」スイングを求めていたが、それもうまくいかず、今オフには、また新たなスイング改造に着手した。

そのために、全英女子を制したときに師事していた青木翔コーチと別れ、上田桃子らを指導する辻村明志(はるゆき)氏を新コーチに選んだ。

「徹底した振り込みと筋力トレーニングで、開幕前はある程度の自信をつかんでいたようです。ここ最近ずっと悩んでいた、飛距離が出ないことも解消されつつあったと聞いています。ただ、短いオフの間に取得しつつあるものが、すぐに結果として出てくるかは未知数です」(ゴルフライター)

迎えた2024年シーズン。残念ながらゴルフライターの危惧は当たってしまったようだ。初戦で予選落ちのなかった「ホンダLPGA」こそ、その恩恵で決勝ラウンドに進んだが、結果は69位と低迷。その後は「ブルーベイLPGA」から、最新の4月4日(日本時間)に始まった「Tモバイル・マッチプレー選手権」まで、4戦連続で予選落ちとなっている。

前出のゴルフライターが語る。

「とにかくいいラウンドが続かない。ここまで悪くなると、2019年に輝いたころに戻すのは至難の業でしょう。それは、本人はもちろんのこと、コーチら“チーム・シブコ”もわかっていますが、彼女をサポートするスポンサー筋も同じです。渋野は所属契約のサントリーをはじめ、ウェアのアディダスなど、多くのメーカーと契約しています。ただ、ゴルフ界の契約の多くはインセンティブ(成果契約)の割合が多い傾向にあります。彼女がどの程度の割合で契約しているかはわかっていませんが、成績が伸びなければ、契約で入ってくる収入が減ることは間違いない。それどころか、このまま低迷が続くと契約から撤退するスポンサーが出てくることは可能性があります。厳しいことですが、それがゴルフ界におけるスポンサーサイドとの一般的な契約なんです。もしスポンサーが撤退するなら、それは米ツアー撤退にもつながる危機です」

今季はシード権がないため、シード権奪還のためには一戦もおろそかに出来ない。正念場として迎える次戦は4月18日に開幕する「シェブロン選手権」。今季初のメジャー大会だ。

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