青森港、基地港湾に月内指定/洋上風力で青森県内初

 国土交通省の有識者会議は8日、洋上風力発電で風車設備の建設拠点となる「基地港湾」について、新たに青森港油川埠頭(ふとう)=青森市=を指定する方針を取りまとめた。同港堤埠頭の一部活用も新たに示した。早ければ4月中にも国土交通相が正式に指定する。基地港湾は青森県内初、全国で6例目となる。

 国は現在、つがる市、鯵ケ沢町沖(本県沖日本海南側)を対象海域とした発電事業者を公募中。青森港を基地港湾に指定すれば最長30年、事業者に油川埠頭を貸し付けることができる。

 8日は洋上風力促進小委員会(委員長・來生新=きすぎ・しん=横浜国立大学名誉教授)が青森、酒田(山形県)両港の指定について協議。国交省は青森港のうち、油川埠頭(18ヘクタール)に加え、青森市中心部に近い堤埠頭(4ヘクタール)も含めた計22ヘクタールを整備拠点として活用する方針を新たに示した。

 堤埠頭は部材置き場など「補完的」(県担当者)な位置づけで、風車設備の事前組み立てといった「基地」機能はあくまで油川埠頭が担う見通し。各委員から異論は出ず、国交省は正式指定の手続きに入った。

 政府は洋上風力発電で2030年までに1千万キロワットの導入を目標に掲げ、基地港湾としてこれまでに鹿島港(茨城県)など5港を指定。つがる市、鯵ケ沢町沖の南に位置する能代港(秋田県)も指定済みだが、同県内では既に複数の発電計画が進行中。国交省は「30年の発電目標に寄与することを考え、迅速に準備できる港湾は青森港」とした。

 油川埠頭に大型の船舶が接岸できるよう、国は24年度から4年間の総事業費123億円で改修に着手。発電事業者の公募は7月に締め切り、12月には選定結果を公表予定。国は公募の指針で、30年6月までの運転開始を見込む事業者の評価点が高くなる仕組みにしている。

© 株式会社東奥日報社