「夢の世界で元気を」 お菓子の美術館、5月3日開幕 渡辺おさむさん氷見で意欲

事前打ち合わせで舞台照明などを確認し、準備を進める渡辺さん(左)ら関係者=氷見市芸術文化館

  ●芸術文化館で初の舞台展示

 氷見市芸術文化館で5月3~30日に開催される「お菓子の美術館~渡辺おさむスイーツアートin氷見」(富山新聞社、北國新聞社主催)を前に、樹脂で本物のお菓子のようなデコレーションを施す「スイーツデコ」の第一人者、渡辺さんが8日、意気込みを語った。能登半島地震の被災地での展覧会に「夢のある世界で楽しい思い出をつくり、元気になるきっかけにしてほしい」と訴え、初の舞台ホールでの展示に期待を膨らませた。

 お菓子の美術館では「どうぶつの森」や「夢見る水族館」などのコーナーで思わず食べたくなる本物そっくりの装飾を施した300点以上の作品が並ぶ。個展で目玉となった全長4.5メートルのドラゴンなども展示する。渡辺さんは「物語のなかを歩くような演出で、来た人がそれぞれの思い出やストーリーを紡いでもらえたらいいなと思う」と話した。

 会場は高さ14メートルの舞台ホールを使い、美術館などで数々の展示を行ってきた渡辺さんにとっては舞台照明を使う展示は初めてという。8日に照明や配置、動線などを確認した渡辺さんは「美術館よりも幅があり、今までと違う演出ができる。立体の作品は光の当て方で表情も変わる」と同会館ならではの演出に意欲をみせた。

 渡辺さんは何度も氷見を訪れており、富山湾越しの立山連峰や海などに魅せられたという。寒ブリや大漁旗などをモチーフにした作品はほぼ完成した。

 地震で住民の避難所となった会場で、地震後初めて開く展覧会に、「復興の道のりは長いと思うが、美術や芸術が生きる喜びになると信じている。ここから、皆さんに元気になってもらうきっかけになれたらいいなと思う」と語った。

 入場料は一般1200円(前売り1000円)、高校・大学生800円、中学生以下は無料。障害者手帳持参者と同伴1人まで600円。前売り券は5月2日まで。問い合わせは富山新聞社営業事業部=076(491)8118=まで。

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