【新日本】海野翔太がペリー戦雪辱の先に見据える〝師匠超え〟 モクスリーと「対等な立場に」

覚悟と目的を持って米シカゴ大会に臨む海野翔太

新日本プロレスの海野翔太(26)が、〝師匠超え〟への一歩を踏み出す。12日(日本時間13日)の米シカゴ大会では、ジャック・ペリー(26)とシングルマッチで対戦する。同大会では師弟関係にあるジョン・モクスリー(38=AEW)が、IWGP世界ヘビー級王者・内藤哲也(41)に挑戦。海野はモクスリーのベルト奪取を望むと同時に、近い将来、対等な立場で師匠に挑むためにもペリーへのリベンジを自らに義務づけた。

海野は「NEW JAPAN CUP(NJC)」1回戦で「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」の介入もありペリーに敗北。雪辱をかけたシカゴ決戦に向け「彼とは似た境遇の部分もあって。メンター(師)がいて、新世代で期待されてて、でも結果が出ずにもがいて苦しんで…。そういう過去の自分と俺を照らし合わせてると思うし、いろいろなものをぶつけ合ってきた。これから先も戦っていくと思うけど、今お前が進んでいる道は間違ってるよということを証明したい」と腕をぶした。

必勝を期す理由はそれだけではない。同大会のメインでは、ヤングライオン時代から師事してきたモクスリーが内藤に挑戦する。「個人的にはIWGP世界ヘビーを内藤さんから取ってもらいたいです。そして自分も結果を残した上で戦えたらというのは、常々思ってますね」と目標を掲げるだけに、足踏みは許されない。

H.O.Tと抗争中の海野は6日両国大会で「最終兵器」と称しモクスリーを招聘した。これに対しシビアな声が上がっていたのも事実だ。それでも「僕としてはチームの仲間を呼んでいるだけなんですけど、周りからはスネかじりだ何だと言われてしまいましたしね。そういう現状は変えたいし、師弟ではなく対等な立場に見られるようにしないといけない」。

結果的に実現しなかったものの、海野はブラックプール・コンバット・クラブで3月のメキシコ「CMLL」アレナメヒコ大会に乗り込んだモクスリーから、欠場中のウィーラー・ユウタの代打も打診されている。すでに純粋なチームの一員として接してもらっているからこそ、周囲からの不本意な評価を覆すために結果を残し、堂々とモクスリーの前に立つための資格を得るつもりだ。

NJCでは辻陽太が初優勝を果たし、新世代の中で頭一つ抜けた存在となった。海野は「僕や成田(蓮)が出していた言葉を彼も使い始めて、どうせ皮肉で言ってるんだろうと思いましたけど…。裏を返せば新世代でこの新日本を盛り上げていくぞってメッセージにもとらえられたので。新エース宣言、新時代と口にして先に結果を出されたのは十分に悔しいので、ここから大逆転を狙いたい。負けてられない気持ちが高まりました」。海の向こうから逆襲を開始する。

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