つくば・東京バル 野菜残渣で商品開発 グラノーラやクラッカー 茨城

新商品「SALAD TO GO」を手にする筒井宏明代表(左)とスタッフら=土浦市卸町

食品製造業の東京バル(茨城県つくば市)は、有機野菜のニンジンとケールの残渣(ざんさ)を活用し、野菜の栄養を摂取できる商品「SALAD TO GO(サラダトゥーゴー)」を開発し、販売に乗り出した。筒井宏明代表(43)は「茨城育ちの素材の魅力を国内、海外に伝えていきたい」と販路拡大に意欲を見せる。

同社は2019年設立。酒かすやカシューナッツを材料にした商品「植物性パルメザン風味」といった植物性由来の食品を開発しているほか、つくば市内2カ所でイタリアンレストラン「東京バル」を経営する。

サラダトゥーゴーの原料は、有機野菜のジュースを販売する農業生産法人ベルファーム(同市)から購入。ジュースから出る搾り汁の残渣を活用する。グラノーラ3種類とクラッカー1種類を製造している。開発に当たっては、県産業技術イノベーションセンター(同県茨城町)が、東京バルとベルファームの両者をつなぎ支援した。

商品は東京バルのスタッフが独自に考案した。野菜を主原料にし、酒蔵の稲葉酒造(同市)で出た酒かすや有機オーツ麦、クルミなどを混ぜて焼き上げた。

グルテンフリーで、化学調味料が使われていないのが特徴的。「持ち運べるサラダ。気軽に野菜を食べてほしい」と取締役で筒井代表の妻の玲子さん(32)はPRする。

同社はサラダトゥーゴーの商品開発が評価され、今年2月には、社会課題を解決する優れたアイデアを表彰する「第14回ビジネス創造コンテスト」で優秀賞を受賞。地域の革新的な事業プランに贈られる「第7回めぶきビジネスアワード」の奨励賞も続けて受賞した。

商品は、東京都内やシンガポールの百貨店で先月初旬から発売。約1カ月間で計3千袋を販売した。今後は、有機JAS認証を取得し、北米やヨーロッパへ販路を拡大したい考え。

グラノーラ(ニンジン・ケール・約80グラム)は税込み498円。クラッカー(ニンジン・約40グラム)で同298円。

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